【札幌記念/血統展望】攻略への最適解となる「4.2.0.2」 “名馬の資質”を満たすGI級ホースは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【札幌記念/血統展望】攻略への最適解となる「4.2.0.2」 “名馬の資質”を満たすGI級ホースは

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【札幌記念/血統展望】攻略への最適解となる「4.2.0.2」 “名馬の資質”を満たすGI級ホースは
  • 【札幌記念/血統展望】攻略への最適解となる「4.2.0.2」 “名馬の資質”を満たすGI級ホースは

今週末は、第60回札幌記念(GII、札幌芝2000m)が行われる。

昨年の覇者で連覇を狙うディープインパクト産駒プログノーシス、今年に入り復調気配を示すドレフォン産駒の皐月賞馬・ジオグリフ、前走ダートのエルムSから参戦と異例のローテで臨むドゥラメンテ産駒ドゥラエレーデなど、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

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■狙えるディープ産駒の取捨基準は

過去10年の札幌記念を振り返ると、種牡馬は4勝を挙げるディープインパクトと複勝率50%を誇るハービンジャーの2強状態。今年はハービンジャー産駒の出走がないので、まずはディープ産駒の検討から入るのが手筋になろう。

ディープ産駒を取捨選択するうえで手っ取り早いのが前走の着順で絞り込む方法。前走で掲示板に載っていた場合は、この10年で【4.3.1.8】で複勝率50.0%に対し、6着以下だと【0.0.0.6】で3着以内なし。明暗が分かれる形となった。

そもそも種牡馬ディープインパクトはそのような傾向があって、基本的に優等生のキャラクター。前走大敗からの巻き返しを狙うより、“順張り”的に前走好走馬を狙った方が良い局面が多い。

■注目すべき芝2000m以下の重賞成績

“順張り”という発想でいくと、近走の競走成績にも注目したいところ。ひとつの基準としてチェックしたいのが「近1年以内に芝の重賞勝ちがあるかどうか」。

▼札幌記念におけるディープインパクト産駒の近1年以内の芝重賞勝ち履歴別成績重賞勝ちあり【4.2.1.5】 勝率33.3% 連対率50.0% 複勝率58.3% 単勝回収率209% 複勝回収率103%重賞勝ちなし【0.1.0.9】 勝率0.0% 連対率10.0% 複勝率10.0% 単勝回収率0% 複勝回収率19%

ご覧のとおり、近1年以内に芝重賞勝ちのあるディープ産駒はハイアベレージ。逆はかなりの苦戦傾向で、馬券になったのは18年1人気2着のマカヒキのみとなっている。

また「芝2000m以下」の重賞勝ちに限定すると【4.2.0.2】で、勝率50.0%&連対率75.0%まで数字が跳ね上がる。直線が短いため、早め早めの追走やスピード性能が求められる札幌芝2000m。同じ重賞勝ちであっても、長距離重賞でのそれより、マイルから中距離での実績を重視すべきということだろう。

ディープ産駒だからとむやみやたらに狙うのではなく、軸にするのであれば近走成績、特に芝2000m以下の重賞勝利実績に注目して絞り込んでいきたい。

■プログノーシスには逆らえない

今回注目したいのは、ディープインパクト産駒。該当馬のなかからプログノーシスをピックアップする。

父はディープインパクト、半姉にイギリスの2歳GIチヴァリーパークSを制したヴォルダがいる。

GIだとイクイノックスやらロマンチックウォリアーやらといった不世出の名馬に届かない結果が続いているものの、GIIであれば力上位。昨年の札幌記念では4馬身差、3月の金鯱賞では5馬身差をつけて圧勝している。

出走馬のレベルが高いGII以上の芝レースで、2着馬に4馬身以上の差をつける勝利を複数回記録した馬はほとんどおらず、最近だとタイトルホルダーやグランアレグリアくらい。歴史を振り返るとナリタブライアン、メジロマックイーン、ディープインパクトなど錚々たる名前が並ぶ。そしてことごとくGI馬だという事実もセットに。

この点をもって、プログノーシスはGI級であると判断してしまっても何ら差支えはないだろう。

このレースと相性の良いディープ産駒で、近1年以内に芝2000m以下の重賞を2勝(札幌記念、金鯱賞)。冒頭で触れた狙い目になるポイントをバッチリクリアしているのも心強い。

ディープ×短距離牝系ということで、直線まで溜めて弾けさせる競馬よりもコーナーで動いていく競馬の方が強さを発揮できる印象もある。札幌記念も金鯱賞も道中でポジションを押し上げ突き抜ける競馬で勝利しており、札幌コースは歓迎だろう。ディープ産駒ならこの馬だ。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

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著者プロフィール

ドクトル井上【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。

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