続けざまに起きた差別、FIFA会長「自動敗北が必要」と防止策検討 日本代表GK鈴木彩艶、ミラン守護神も被害【アジア杯】 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

続けざまに起きた差別、FIFA会長「自動敗北が必要」と防止策検討 日本代表GK鈴木彩艶、ミラン守護神も被害【アジア杯】

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続けざまに起きた差別、FIFA会長「自動敗北が必要」と防止策検討 日本代表GK鈴木彩艶、ミラン守護神も被害【アジア杯】
  • 続けざまに起きた差別、FIFA会長「自動敗北が必要」と防止策検討 日本代表GK鈴木彩艶、ミラン守護神も被害【アジア杯】

AFCアジアカップ2023」に参戦中の日本代表は24日、ドーハで1次リーグ最終戦となるインドネシア戦に臨み、3-1で勝利した。この結果、2勝1敗となりD組2位で決勝トーナメント進出を決めた。3大会ぶりの優勝へ向けて突き進む日本だが、1次リーグを通じて影を落としたのがGK鈴木彩艶に対する差別的発言。先週末にはイタリアやイングランドも同様の事件が発生し、問題となっている。

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■枠内シュート7本で5失点

21歳の若き守護神にとって、初めて挑んだアジア杯はここまでほろ苦いものとなっている。初戦ベトナム戦、第2戦イラク戦とも2失点。クリーンシート目前だったインドネシア戦も後半アディショナルタイムに失点し、3試合5失点で1次リーグを終えた。

およそGKの責任とは言えない失点も含まれているが、枠内シュート7本中5本決められては印象が良くないことも確か。ただ、SNSではプレーへの批判だけではなく、差別的発言も飛び交い、鈴木本人も「(差別的投稿は)控えてほしい」と訴えるに至った。

日本代表を率いる森保一監督は23日、この問題について「我々の大切な選手である鈴木彩艶に対して人権侵害、差別的な言葉を向けた人には断固として抗議したい」と怒りを見せ、日本サッカー協会も「法的措置を辞さない姿勢で根絶を目指す」と談話を出した。

先週末にはイタリア、イングランドでもスタジアムで人種差別的な行動が発生。鈴木を巡る一連の動きは、これらと合わせて海外でも大きく報じられた。

セリエA第21節(20日)でウディネーゼと対戦したミランは3-2で勝利したが、ウディネーゼ・サポーターは試合中、「サルの鳴き真似」をミランGKマイク・メニャンに対して浴びせた。その後メニャンは主審にこの件を訴え、試合は約10分間中断した。

また、同日に行われたイングランド2部のシェフィールド・ウェンズデイとコベントリー・シティのー戦でもコベントリーMFケイシー・パルマーが人種差別的な暴言を受けとして、問題となっていた。

■FIFA会長「忌まわしい出来事」

差別的な行動や発言が続いたことを受け、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は「ウディネーゼとシェフィールドで起きた出来事は忌まわしく、容認できない。サッカー界でも一般社会でも人種差別やいかなる差別が許される余地はない」と声明を発表。さらに再発防止策の一環として「3段階のプロセス(試合中断、再中断、試合中止)に加えて、ファンが人種差別を犯し、試合中止の原因を作ったチームは自動的に敗北とする必要がある」と改革を訴えた。

ウディネーゼは24日、メニャンに対する暴言に関与したとしてサポーター4人を生涯入場禁止処分に科したと発表。すでに試合当日にも1人を処分しており、今回の件で計5人を永久追放とした。

フランスメディア『オレンジスポーツ』は、鈴木に対する差別的投稿を含めて「またも人種差別。我々はこの問題から逃れることができないようだ」と記した。スタジアムから差別がなくなる日は来るのだろうか。FIFAや各協会には根絶へ向けて強い姿勢が求められている。

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文●SPREAD編集部

《SPREAD》
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