
ロサンゼルス・エンゼルスからFAとなった大谷翔平。今季は打率.304、44本塁打、95打点、20盗塁、OPS1.066で自身初の本塁打王を獲得。2度目のア・リーグMVPも確実視されている。
メジャー6年間で積み上げた本塁打数は171本。ここでは、公式データを元に全本塁打の中で「チームの窮地を救った」アーチ3本を振り返ってみよう。
◆【実際の動画】2022年、大谷翔平の起死回生特大15号同点アーチをプレーバック!9回裏3点ビハインドからの一発、球場は勝利を“確信”するも……
■土壇場9回以降に放った一発
MLB公式『Baseball Savant』では、全選手のプレーを様々な条件下で検索、動画の閲覧とダウンロードができる。プロ野球ファン垂涎の親切設計が魅力だ。今回は、大谷のメジャー6年間で「塁上の走者、または自分(打席の大谷)が生還すれば同点になるか勝ち越せる」場面で放った本塁打を集めてみた。
大谷の本塁打を上記にあてはめると、全171本から73本に絞られる。さらに“9回以降”という条件を加えることで、今回のテーマ「チームの窮地を救った」本塁打としてみたい。
選ばれたアーチは計3本。唯一延長戦で記録したのが、今季6月12日(日本時間13日)敵地でのテキサス・レンジャーズ戦。5-5の同点で迎えた12回表、大谷は無死二塁で相手左腕コール・ラガンズのカットボールを捉えると、打球は28度の低弾道で左翼スタンド最前列へ突き刺さった。大谷は両手を大きく広げてベースを一周し、ホームイン。この20号2ランが決勝点となり、エンゼルスが9-6で勝利している。
2本目は2021年5月16日(同17日)のボストン・レッドソックス戦。4-5で1点ビハインドの9回表、2死一塁で放った一発は敵地フェンウェイ・パークの右翼ポールギリギリに飛び込む決勝12号2ラン。本塁上で走者のマイク・トラウトとガッチリ握手、世界最高峰のふたりがもたらした逆転勝利だった。
“窮地を救った”一発でも、極めつけはこの一本だろう。2022年6月21日(同22日)本拠地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦。7-10と追い込まれた9回裏1死一、二塁で、相手7番手スコット・バーロウのカーブを捉えた特大の一発は、この日2本目となる起死回生の同点15号3ラン。球場中が大熱狂、昨季もっとも沸いた瞬間とも言える本塁打だったが、皮肉にもエンゼルスは延長戦の末、試合に敗れている。
エンゼルスでの6年間は、大谷が“打っても勝てない”試合が多く、フラストレーションが溜まったファンも多かっただろう。次はどのユニフォームを着て本塁打を量産してくれるのか。記憶にも記録にも残る大谷の劇的な一発を来季以降も楽しみにしたい。
◆【実際の動画】“ドヤ顔”でベース一周!大谷翔平が延長12回に放った、今季20号アーチをプレーバック!珍しい左翼線への本塁打
◆大谷翔平の6年間「爆速・低弾道本塁打3選」 打球方向にも進化の証
◆「大谷翔平は土壇場に強い」を公式データが裏付け、本塁打単独トップの“ある条件”とは…
文●有賀博之(SPREAD編集部)
Shohei Ohtani's game-tying blast. 438 feet. 113.5 mph exit velo. pic.twitter.com/fbawwNScWK
— Sam Blum (@SamBlum3) June 22, 2022
OHTANI GIVES THE HALOS THE LEAD‼️‼️@Angels | #GoHalos pic.twitter.com/FbFyslY9Fy
— Bally Sports West (@BallySportWest) June 13, 2023
Down to their last out, Shohei Ohtani comes through in the clutch for the @Angels. pic.twitter.com/kwsZj1Xim4
— MLB (@MLB) May 16, 2021