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ナ・リーグ西地区を独走で制しながら、プレーオフ地区シリーズで敗退したロサンゼルス・ドジャース。昨季と同じ轍を踏んだチームに対して、変革を求める声が高まっている。
フリーエージェント(FA)となる大谷翔平の移籍先として本命視される球団が、どのような補強策を展開するのか、注目が集まっている。
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■「ストーリーを変えなければならない」
スポーツ専門メディア『ジ・アスレチック』のケン・ローゼンタール記者は13日(日本時間14日)、「ドジャースはオオタニを獲得し、物語を変えるために多くの努力をしなければならない」という見出しとともに、記事を公開。2シーズン連続地区シリーズで敗退したチームに対して、大谷獲得を促した。
同記者は「オオタニを獲得しても10月に違う結果が手に入る保証はないが、それでも構わない。2年連続で失望を味わった現在、ストーリーを変えなければならない」と主張。右肘手術の影響で来季は投げられず、DH専念になるとしても獲得すべきと訴えた。
ドジャースは11シーズン連続でポストシーズンに進出しているが、ワールドシリーズを制覇したのは新型コロナウイルスの感染拡大により短縮された2020年のみ。その間、100勝以上を挙げたシーズンも5回あった。レギュラーシーズンで圧倒的な力を見せながら、なかなか頂点に辿り着けずにいるため、現状打破の起爆剤として大谷に期待をかけた。
■「理にかなっているのは山本由伸獲得」
記事は、投手陣の整備が急務となっているチーム事情を踏まえ「もっとも理にかなっているFA選手は25歳で市場に出る日本の右腕ヨシノブ・ヤマモト」と記した上で、「ブレイク・スネルやアーロン・ノラ、ソニー・グレイも獲得候補」とした。
FAになる大エース、クレイトン・カーショウの去就が不透明なため、先発投手陣の補強は、ますます緊急性を高めている。しかし、ローゼンタール記者は「オオタニはローテーションを強化する計画にフィットする。投げられるのは来季以降になるかもしれないし、トミー・ジョン手術からの復帰が確実なものとは言えないが……」とし、中長期での視点で「投手・大谷」に期待した。
■仕事への取り組み、性格は申し分なし
同記者は、右肘手術の影響でFA市場における大谷の立ち位置は複雑化していると認めつつも「オオタニの仕事に対する取り組みや、彼の性格・キャラクターは申し分ない。そして、彼が提供する攻撃力やマーケティング価値は高く、依然として彼はドジャースに完璧にフィットする」とし、獲得を強く促した。
「オオタニはステーキだけでなく、シズル感も提供する。そして、おそらく10月が来るとファンが欲しがるデザートももたらす」と締めくくったローゼンタール記者。ステーキは主役・重要な役割を表す例えであり、シズルはステーキの焼ける匂いや音により興奮が生まれる感覚を表現したもの。そして、ここでのデザートとはポストシーズンでの成功を意味する。
失望したドジャースファンを納得させるためにも、スーパースター大谷の獲得は必須なのかもしれない。
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文●SPREAD編集部