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今オフにフリーエージェント(FA)となるロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。移籍先として本命視されているロサンゼルス・ドジャースが揺れている。
今季100勝を挙げ、ナ・リーグ西地区を制した王者は、プレーオフ地区シリーズでアリゾナ・ダイヤモンドバックスにまさかの3連敗を喫し、敗退決定。昨季も独走で地区優勝を飾りながら、同じく地区シリーズで散っている。2シーズン連続で同じ轍を踏んだチームに対して、変革を求める声が高まりそうだ。
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■「派手なFA選手を追いかける」
ここ11年で10度の地区優勝を誇る絶対王者ドジャース。目指すは2020年に続くワールドシリーズ制覇だったが、今季もプレーオフ地区シリーズで姿を消すことになった。
敗因に挙げられる一つが投壊。ダイヤモンドバックスとの第1戦はエースのクレイトン・カーショウが先発したものの、初回1死しか奪えずに6安打1四球6失点でKOされた。第2戦に先発したボビー・ミラーも4安打2四球3失点で2回途中に降板し、チームは連敗。
負ければ終わりの第3戦に先発したランス・リンは3回に突如崩れ、この回だけで4本のアーチを浴びてマウンドを降りた。ポストシーズンにおける1イニング4被弾は史上初という不名誉記録も作ってしまった。
レギュラーシーズンでは16ゲーム差をつけた相手に下剋上を許し、王者の面影はなし。米スポーツメディア『FANSIDED』もチーム状況を憂い、「シーズンが終わり、ファンはオフの動きに目を向け始めるだろう。ドジャースはショウヘイ・オオタニのような派手なFA選手を追いかける用意がある」とした上で、「変化の冬は避けられない」と断言。大ナタが振るわれる可能性に言及した。
■KOされたエースに疑問付
同メディアはFAとなる4選手の去就に注目し、再契約に至るのか、それとも別れを告げるのか分析した。名前が挙がったのは、コルテン・ウォン、デビッド・ペラルタ、キケ・ヘルナンデス、そして大エースのカーショウ。
35歳となった今季も13勝5敗、防御率2.46、WHIP1.063という好成績を記録した左腕を切ることはあるのか。記事によると、ポイントはやはり地区シリーズの1戦目だという。「6安打1四球6失点という内容は、ベテラン投手との再契約を検討しているフロントオフィスに疑問を抱かせた」と指摘した。
確かにカーショウは今季良い数字を残したが、左肩の状態は芳しくない模様。7月から8月にかけて6週間の負傷者リスト入りし、復帰したものの登板間隔は以前の中4日から中6日となり、直球も88マイル(約142キロ)ほどに減速した。
同メディアは「もしもドジャースがオオタニやブレイク・スネル、ヨシノブ・ヤマモトのような選手に資金を投じたいのであれば、カーショウを犠牲にするかもしれない」とし、大谷獲得資金を捻出するために再契約を見送る可能性について触れた。
■「何かを変えなければダメ」
今季ドジャース先発投手陣の防御率は4.57で全体20位。全体3位の防御率3.42をマークしたリリーフ陣のおかげでシーズンを何とか乗り切ることができたが、実は投壊のピンチにさらされていた。
『FANSIDED』は最後、「2024年が過去2シーズンの焼き直しになってはいけない。何かを変えなければダメだ。そして、変革の第一歩はロースターの核であるスター選手から始まる。春季キャンプでカーショウが他球団のユニフォームを着ていても驚かないように」とファンに訴えた。
ただ、早急に投手陣の立て直しが求められる球団が、来季投げられない大谷獲得に動くのか。新天地として本命視されるチームの動向から目が離せなくなってきた。
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文●SPREAD編集部