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国内男子メジャー第3戦「第88回日本オープンゴルフ選手権」は12日、大阪府の茨木カンツリー倶楽部・西コース(7315ヤード、パー70)で開幕する。
優勝賞金4,200万円とツアーでもトップクラスに稼げるメジャートーナメントで、金谷拓実や中島啓太、石川遼といった国内トップクラスの選手から、欧州ツアー初制覇を果たした久常涼、2013年のマスターズ覇者アダム・スコットも出場予定。
なかでも先週今季初優勝を果たした稲森佑貴は、これまで日本オープン2勝と相性が良く、今年も活躍に期待が持てる。
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■正確性が存分に生かせる舞台
大阪の名門、茨木カンツリー倶楽部・西コースは、過去に1996年の日本オープンや08年、13年、18年のパナソニックオープン、16年のアジアパシフィックダイヤモンドカップなどの会場として使用された。当時の大会成績を振り返ると、96年の優勝スコアは2アンダー、13年のパナソニックオープンは通算9アンダーと、スコアの伸ばし合いとはなりにくいコースであることがわかる。
特にメジャートーナメントである日本オープンともなれば、コースセッティングも難しくなっている。今年も4日間我慢比べとなることが予想され、積極性よりも崩れないプレーができるかが勝利へのカギとなりそうだ。
我慢比べとなった場合パワーよりも正確性が重要で、先週優勝した稲森はその代名詞と言えよう。
稲森のスタッツを見ると、ドライビングディスタンスは現時点で263.81ヤードとプロの中では飛ばないが、フェアウェイキープ率は79.740%とダントツ。2位に10%以上の差をつけている。
飛距離がでないということは、セカンド以降距離が残り、パーオン率なども落ちていくものだが、稲森の場合はパーオン率は72.980%(2位)、パー以上で上がる確率を示したパーキープ率は89.646%(4位)を記録。ドライバーだけでなく、セカンドやパットでも正確なショットを続けていることがわかる。
その証拠にパー3における累計スコアは22アンダーでトップ。パー4でも43アンダーの6位と、難易度の高いホールが多いパー3とパー4でスコアを稼いている。今回のようにパー70と通常よりロングホールが2ホール少ないコースセッティングでは稲森の正確性が存分に生かせる舞台と言える。
日本オープン過去2勝、日本一曲げない男が相性の良いメジャーを制しにかかる。
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(G.Tsukamoto/SPREAD編集部)