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トロント・ブルージェイズの菊池雄星は29日(日本時間30日)、本拠地でのタンパベイ・レイズ戦に先発登板。6回途中5安打3失点で、自己最多を更新する11勝目(6敗)を挙げた。チームは11-4で大勝し、ワイルドカードでのプレーオフ進出へ大きく前進した。
◆【実際の映像】菊池雄星、「えげつないスライダー」と“ピッチングニンジャ”絶賛のシーズン最終登板で見せた投球
■「スライダーは大きな武器」と指揮官称賛
菊池は初回、先頭に安打を許したものの、後続を中飛、投ゴロ併殺に仕留め、わずか5球で切り抜けた。2、3回も走者こそ許したが、要所を締めて無失点。4、5回は三者凡退に抑える上々の内容だった。
この間に味方打線が爆発し、5回までに8点を奪った。大量リードをもらった菊池だったが、6回に乱れた。先頭レネ・ピントに二塁打を許すと、続くヤンディ・ディアスには2ランを被弾。そして、ハロルド・ラミレスにも二塁打を打たれたところでマウンドを譲った。
リリーフのチャド・グリーンが後続に適時打を浴びたため、菊池は5回0/3を投げて5安打3失点となった。試合はブルージェイズ打線がその後も加点し、11-4で勝利。ワイルドカードでのプレーオフ進出へマジック1とし、76球を投じた菊池にも11勝目が付いた。
“ピッチングニンジャ”の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏が「ユウセイ・キクチのえげつないスライダー」とつづり、実際の映像とともに投稿したように、この日はスライダーが威力を発揮。ケビン・キャッシュ監督も試合後、「あのスライダーは彼にとって非常に大きな武器になった」と称賛した。
■「ワイルドカード・シリーズ」はブルペンか
これで菊池は本拠地のレイズ戦において4勝0敗となり、ポストシーズン進出を争う大事な一戦でキラーぶりを発揮した。
地元紙『トロント・スター』によると、チームが10月3日(同4日)から始まる「ワイルドカード・シリーズ」に進出した場合、菊池は初戦からブルペン待機になる予定だという。
中3日でリリーフを託されることについて、菊池は「それは私の考えることはではない。しかし、昨年もリリーフとして投げる機会があった。監督が私に何を頼んでも、どんな役割を与えても受け入れる準備はできている。私はただ1球1球を大切にし、打者に立ち向かっていくだけ」と誓った。
レギュラーシーズンの最終登板を終え、菊池の今季成績が確定。32試合に先発し11勝6敗、防御率3.86、167.2回で181奪三振となり、初めて規定投球回にも到達。すべての数字でキャリアハイの数字を残した。
「ワイルドカード・シリーズ」を勝ち抜き、10月7日(同8日)からの「地区シリーズ」に進出すれば、菊池にも先発の機会が訪れるはず。ポストシーズンで躍動する姿をファンは待っている。
◆【実際の映像】菊池雄星、「えげつないスライダー」と“ピッチングニンジャ”絶賛のシーズン最終登板で見せた投球
◆後半戦防御率メジャートップの菊池雄星、6回1失点10勝目お預けも指揮官称賛「これまでで最高の投球」
◆菊池雄星、7回1失点の快投報われずも…公式サイトは左腕を称賛「チーム好調は彼のおかげ」
文●SPREAD編集部
Yusei Kikuchi, Nasty 88mph Slider. 😨
3rd K pic.twitter.com/18vEBSeANA
— Rob Friedman (@PitchingNinja) September 30, 2023