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今季ここまで43発を放ち、ナ・リーグの本塁打部門でトップに立っているアトランタ・ブレーブスのマット・オルソン。27日(日本時間28日)現在、129試合を消化したチームにおいて全試合出場を果たしており、相変わらずの鉄人ぶりを見せている。
本塁打は43号で足踏みしているが、4番を張り続け、ナ・リーグ東地区で首位を走るチームをけん引している。地元紙『The Atlanta Journal-Constitution』が同日、オルソンの練習方法などを紹介する記事を公開し、話題を呼んでいる。
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■チームはナ・リーグ東地区を独走
44発の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)と激しく競り合い、メジャー全体での本塁打王争いを盛り上げているオルソン。2人はリーグが違うためタイトルには直接関係ないが、どちらが多く量産するか、注目の的となっている。
オルソンは現地27日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に「4番・一塁」で出場し、3打数1安打に終わり、44号は出なかった。これで12試合不発となったが、本人は以前から「本塁打は狙っていない」と話しており、焦りはない。
チームもナ・リーグ東地区で2位のフィラデルフィア・フィリーズに大差をつけて首位独走。メジャー全体でも勝率トップに立ち、もはや目指すのはワールドシリーズ制覇のみという状態だ。今回、そんな最強軍団の主砲を地元紙『The Atlanta Journal-Constitution』が特集した。
■屋内打撃ケージでの練習が効率的
同紙は「ブレーブスのスター、マット・オルソンはなぜフィールドでのバッティング練習をあまり行わないのか」という見出しを掲げ、屋外での打撃練習に参加しないことに注目した。グラウンド上で行われる試合前の打撃練習を回避する理由について、本人は「(屋外だと)少しやり過ぎてしまうことがある」と話し、何か狙いを持って打席に入ったとしても、雰囲気に流されて単純に打ちまくるだけの練習になってしまうことを危惧していると明かした。
「特に私の場合、自然な形で(打球を飛ばす)バット角度と(トップからフォロースルーまでの)スイングの長さが決まっているため、屋内打撃ケージでそこに気をつけて、一貫して練習するほうが効率的なんだ」とコメント。その上で、オークランド・アスレチックス時代は逆に毎日屋外で打撃練習を行っていたが、今季初めから練習パターンを変更したと打ち明けた。
■干渉控える指揮官の方針に感謝
練習方法を改めたのは、経験によるところが大きいという。若い時にはベテラン選手が屋外で打撃練習を行っているにもかかわらず、自分だけが屋内のケージに入ることに躊躇することもあったそう。しかし、メジャーでの生活を重ねるにつれ、自分にとって最適なルーティンを見つけ、実践するに至ったと話した。
オルソンは、干渉を控えるブライアン・スニトカー監督の存在も大きいと明言。「彼はブレーブスでプレーするための基準を維持しつつ、選手たちが自分らしくいられるようにしてくれる」と話し、自主性に委ねる方針に感謝した。
大谷が屋外での打撃練習をほとんど行わないことは有名で、奇しくも両リーグの本塁打王が同じ練習方法を取っていることになるが、大谷のスイングが“マン振り”(フルスイング)モードなのに対し、オルソンは「強振は捨てた」と明言。打者として試合に臨むアプローチは同じでも、打席での試みは対照的な2人が本塁打数を争っていることになる。タイトル争いに無関係とはいえ、目が離せないレースだ。
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文●SPREAD編集部