女子ゴルフの国内第15戦「宮里藍 サントリーレディスオープン」（兵庫県・六甲国際ゴルフ倶楽部／6513ヤード、パー72）が8日、開幕する。
昨季は、最終日に山下美夢有が4打差を逆転し、通算3勝目を挙げた。今季は渋野日向子、アマチュアの馬場咲希らが参戦するなど、例年にも増して注目度が高い。歴史ある4日間大会を制するのは果たして誰になるのか。
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■グリーン攻略が鍵、パット巧者有利か
帝王、ジャック・ニクラウス監修による「六甲国際ゴルフ倶楽部」の特徴はグリーンにある。砲台グリーンや受けグリーンなどホールごとに個性があり、そこをどう攻略していくかが鍵だ。実際、大会優勝者のスタッツを見ると、パーオンホールの平均パット数が秀でている。
2019年～22年に優勝した3選手の平均パット数
では、今季ここまでのパーオンホールの平均パット数はどうかというと、以下になる。
今季の平均パット数ランキングトップ5
こう見ると、今大会も山下が優勝の最有力候補であることは間違いない。自身初の大会連覇をかけて、今季国内ツアー2戦目となるホステスプロの渋野、アマチュアの馬場という注目組で、8時05分、10番スタートとなる。
パット巧者有利とみられる一方、コースとの相性もある。過去2年、コンスタントに上位争いをしている選手は、山下（22年優勝、21年2位タイ）、稲見萌寧（22年3位タイ、21年2位タイ）、小祝さくら（22年8位タイ、21年5位）の3人だ。
特に21年の稲見が印象深い。2位と4打差の独走態勢で臨んだ最終日、前半からショットが荒れてバーディが来る気配がない。後半早々、青木に逆転を許し、それでも気持ちで乗り切って最終18番、決めればプレーオフの状況。「入ったと思った」バーディパットはボール一つ分、右へ切れた。その瞬間、両手でパターを持ったまま、膝をつき、天を仰いだ。
それまで単独トップで最終日を迎えて負けたことのなかった稲見が、「自分のミスで負けたことが一番悔しい」とあふれる涙を抑えきれず、絞り出すように話したのが忘れられない。
4月以降、精彩を欠いている稲見だが、2年前の記憶が彼女の闘志に火を付けることを期待したい。アマチュアの六車日那乃、岩井ツインズの妹・千怜とともに、1番から12時20分にティーオフする。
■有力選手のペアリング
なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。
10番スタート／7:15／川﨑春花、安田祐香、菅沼菜々10番スタート／7:25／サイ・ペイイン（台湾）、佐久間朱莉、植竹希望10番スタート／7:35／@フィオナ・シュー（ニュージーランド）、大里桃子、渡邉彩香10番スタート／7:45／@ジユー・リム（韓国）、吉田優利、上田桃子10番スタート／7:55／@吉田鈴、吉本ひかる、青木瀬令奈10番スタート／8:05／@馬場咲希、渋野日向子、山下美夢有10番スタート／8:15／@飯島早織、岩井明愛、鈴木愛10番スタート／8:25／高橋彩華、西郷真央、菊地絵理香1番スタート／11:50／@ナモ・ルアングニティクル（タイ）、小祝さくら、福田真未1番スタート／12:00／@トン・アン（中国）、佐藤心結、穴井詩1番スタート／12:10／@ティンシュアン・ファン（台湾）、神谷そら、藤田さいき1番スタート／12:20／@六車日那乃、岩井千怜、稲見萌寧1番スタート／12:30／@寺岡沙弥香、川岸史果、申ジエ（韓国）
（注）@はアマチュアを表す。
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文●河野道久
