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ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が11日(日本時間12日)、本拠地でのワシントン・ナショナルズ戦に「3番DH・投手」の二刀流で先発出場し、7回1安打無失点で今季2勝目(メジャー通算30勝)を挙げた。
これで大谷は先発投手として10試合連続で2失点以下をマーク。これは1972、73年シーズンにノーラン・ライアンが記録した9試合連続を超える球団記録となった。
◆【実際の映像】トラウトを三振に打ち取ったスウィーパーと160キロストレートのオーバーレイ解析図
■メジャー最多奪三振投手超え
「伝説の投手」としてさしつかえないライアンは「ノーコン」とレッテルを貼られ、5年間を過ごしたニューヨーク・メッツからトレード、72年からエンゼルスに。このシーズン、フォーム改造に取り組み大ブレイク。エンゼルス在籍8年で5度もシーズン300奪三振を記録。通算で324勝ながら、5714奪三振は史上最多記録だ。
そんな大投手を超える球団記録をマークした大谷について、MLB公式サイトは分析記事を掲載。「ほぼ打てない大谷」の秘密は、昨シーズンから多投している「スウィーパー」にあるとしている。スウィーパーはスライダーの進化形といっていいだろう。
3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)において、侍ジャパン14年ぶりの優勝を決めたシーン、大谷が盟友マイク・トラウトを打ち取った最後の一球もスウィーパー。多くの日本人の目に焼き付いているであろう球種だ。
公式サイトは、この球種を「今、メジャーでもっとも熱い投球」として「大谷以外に誰がいるというんだ」と大絶賛している。
なにしろ、ホームベースの横幅が43.18センチであるのに対し、大谷のスウィーパーの平均スライド幅は約46センチ。つまりクルマのタイヤ・ホイールほどの動いて行く寸法だ。これはMLB投手によるスウィーパーの平均よりも10センチ大きいという。平均で約10センチ落ちる。
これを160キロのストレートと織り交ぜられたら、さすがのトラウトも三振の結果に終わったということだ。
今季、大谷の防御率は0.47。果たしてこの快投がどこまで続くのか。それが長ければ長いほど、サイ・ヤング賞争いが見えてくるに違いない。
◆大谷翔平、驚異の防御率0.47で7回6奪三振無失点 打っては34試合連続出塁も記録
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文●SPREAD編集部
Ohtani v. Trout, #MLBFieldVision overlay
100.0 mph true 4-seamer with only 2 inches of horizontal movement
87.2 mph sweeper with 17 inches of horizontal movement pic.twitter.com/h8iszAOpng
— David Adler (@_dadler) March 22, 2023