ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）は20日（日本時間21日）、米マイアミの「ローンデポパーク」で準決勝が行われ、日本とメキシコが対戦した。試合はメキシコの1点リードで迎えた9回無死1、2塁の場面で、村上宗隆が中越えに2点二塁打を放ち、6－5で逆転サヨナラ勝ち。米国が待つ決勝戦（21日＝日本時間22日）に進出した。注目の大谷翔平は4打数2安打2得点をマークし、劇的勝利に貢献した。
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■「村上は打ってくれると信じていた」
「3番・DH」で先発出場した大谷。第1、2打席はロサンゼルス・エンゼルスの同僚で、メキシコの先発パトリック・サンドバルに抑えられたが、3打席目は右腕ホセ・ウルキディから左前打。これで6試合連続安打をマークした大谷は、1点を追う9回に先頭で右中間への二塁打を放ち出塁。逆転サヨナラの足がかりを作り、村上の一打で同点のホームを踏んだ。
劇的勝利に貢献した大谷は試合後、『FOX Sports』の場内インタビューに応じ、「ムネ（村上）はここまで苦しんでいたが、必ず打ってくれると信じていた」と話し、まずはサヨナラタイムリーのヒーローを称賛。自身が放った9回の二塁打については「まっすぐ、スライダーどちらが来てもいいように、とにかく甘い球を狙っていた。ボール球は振らないように、本当に四球でもいいと思って打席に入った」と振り返った。
そして、決勝での登板について問われると「行く気で（肩を）つくる。まずはヒッティングから入るので、早く点を取って、良いリズムで最後の方に行ければ十分に勝てる」と意欲を見せた。
■「完璧にいけばリリーフで優勝に導く」
決勝はファン待望の日米決戦。米メディアも興奮を隠せず、米『USA TODAY』のボブ・ナイチンゲール記者は「WBCはこの壮大な対戦をずっと望んでいた。大谷翔平がマイク・トラウトと9回に対戦するドラマを見たくない人いる？」記した。
また、『ESPN』のジェシー・ロジャース記者は決勝の注目選手に大谷の名前を挙げ、「他に誰がいるだろうか？ 実際、このチーム（侍ジャパン）にはスター選手が何人もいるが、大谷はDHで先発し、さらに試合終盤に投げることを求められる可能性もある。もし、すべてが完璧にいけば、大谷は日本のリードに貢献し、リリーフで日本を優勝に導くだろう」と記した。
投手兼DHで先発出場し、投手として降板した後もDHとしてそのまま試合に出続けることができる「大谷ルール」は、あくまで“先発”が条件。DHとして先発出場し、途中から投手になった場合、その時点で「DH解除」が適用される。もし中継ぎでマウンドに上がった大谷が降板すれば、再度出場することはできず、大谷の後を受けたリリーフが打線に入ることになる。
当然、打線に大谷を残しておきたい日本としては、大谷がもう打席に入らなくても構わない状況でマウンドに上げたい。とすれば、考えられるのはリードして迎えた最後、守護神として試合を締める役割だ。今大会最大の見せ場である大谷とトラウトの対決は、最後の最後に訪れる可能性が出てきた。
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文●SPREAD編集部
