【凱旋門賞/穴馬アナライズ】3連単“10万超”射程 スノーフォールより妙味のある伏兵「牝馬」に警戒 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【凱旋門賞/穴馬アナライズ】3連単“10万超”射程 スノーフォールより妙味のある伏兵「牝馬」に警戒

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【凱旋門賞/穴馬アナライズ】3連単“10万超”射程 スノーフォールより妙味のある伏兵「牝馬」に警戒
  • 【凱旋門賞/穴馬アナライズ】3連単“10万超”射程 スノーフォールより妙味のある伏兵「牝馬」に警戒

凱旋門賞は3日、フランス・パリのロンシャン競馬場で開催される。記念すべき100回目を迎える今年は、英ダービー馬アダイヤー(牡3)をはじめ、GI3勝のタルナワ(牝5)、愛ダービー馬ハリケーンレーン(牡3)に、英愛仏オークスを制したディープインパクト産駒スノーフォール(牝3)など、各国のトップホースが集結した。

2016年から国内でも馬券を買えるようになり、初年度からいきなり3連単38万60円と大波乱の決着。17年以降は4年連続でエネイブルが1番人気となり、2勝2着1回と安定した結果を残したが、それでも3連単は万馬券。昨年は1、2番人気がともに掲示板を外して3連単は10万円を超えた。

今年は昨年までのエネイブルのような抜けた存在はおらず、単勝オッズが割れて波乱含み。ここでは過去の穴馬の傾向から、今年波乱を呼びそうなホースたちを取り上げていきたい。

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■日本ゆかりの伏兵が波乱を起こす

まず注目するのは、凱旋門賞と同競馬場・同距離で行われる、前哨戦のフォワ賞。かつては日本のオルフェーヴルが2年連続でフォワ賞1着→凱旋門賞2着と、戴冠まであと一歩迫った王道ローテだ。しかし、フォワ賞を制して凱旋門賞も制したのは、過去10年では一昨年のヴァルトガイスト1頭のみで、なかなか本番で結果を残すことはできなかった。

とはいえ、前走がフォワ賞(着順を問わず)だった馬が、本番で人気を落とし、激走を見せるケースが目立つのも事実。17年2着、18年3着に入ったクロスオブスターズは前者が8番人気(フォワ賞2着)で、後者が9番人気(フォワ賞3着)だった。前記ヴァルトガイストも9番人気での勝利で、近年の人気薄で穴を開けた馬はフォワ賞をステップに本番でも好走を演じている。

今年は、日本のディープボンド(牡4)が鮮やかな逃げ切り勝ちでフォワ賞を制覇。2着のブルーム(牡5)は本番で武豊が鞍上と、日本ゆかりの2頭がフォワ賞をステップに参戦する。

■2頭とも激走の資格は十分

ディープボンドはGI未勝利馬だが、前哨戦を制し本番と同様の馬場を経験できたことは大きな強み。鞍上は急遽ミカエル・バルザローナに替わったが、フランスを代表する名手だけに心配はいらないだろう。

日本調教馬が凱旋門賞で連対を果たした馬は、すべてフォワ賞からのローテ。今回、日本からは2頭が参戦し、実績的にはクロノジェネシス(牝5)のほうが上位だが、現地で前哨戦を使わないと、凱旋門賞で好結果を残すことができないことは、過去の歴史でも証明されている。

フォワ賞制覇後も、現地ではそこまで評価は上がっておらず、国内でもそこまでは人気とはならないだろう。日本調教馬からの激走があるとすれば、クロノジェネシスよりもディープボンドのほうをピックアップしたい。

また、ブルームも7月のサンクルー大賞を逃げ切ってGI初制覇を果たすなど、5歳を迎えて本格化。道悪の成績は【4-2-0-1】で、週末の雨予報も他馬が苦にするようなら同馬にとっては追い風。悲願の凱旋門賞制覇を目指す武豊とともに、十分一発を狙える存在だ。穴メーカー、フォワ賞組の2頭は、人気を問わず必ず馬券に加えておきたい。

■再びA.オブライエン厩舎の独占も

過去10年で7頭が優勝しているように、凱旋門賞も牝馬が優勢の時代。トレヴやエネイブルといった連覇を果たした女傑もいれば、11年デインドリーム(現地11番人気)や、オルフェーヴルの夢を砕いた12年ソレミア(現地12番人気)など、超伏兵扱いされていた牝馬の一発があるのも凱旋門賞の特徴だろう。

今年は、タルナワやスノーフォールといった有力牝馬もエントリーしているが、ラブ(牝4)、ラービアー(牝4)の4歳2騎に波乱の匂いを感じる。

ラブは昨年の英1000ギニーから今年のプリンスオブウェールズSまでGI4連勝。近3走は敗れているが、3、3、2着と大きくは崩れておらず、鞍上に凱旋門賞6勝のランフランコ・デットーリを迎え、人気の盲点となりそうな実力馬。

今回、A.オブライエン厩舎は3頭出しで、スノーフォールが筆頭格だが、前記ブルームとともに、ラブもラビットホース的な扱いではなく、3頭とも頂点を狙いに行くはず。16年にワン・ツー・スリーを果たしたA.オブライエン勢だが、今年、その再現があっても何ら驚けない。

■GI未勝利でも牝馬を侮ることなかれ

一方、ロワイヤリュー賞との両にらみだったラービアーは凱旋門賞を選択。出走メンバーの中で唯一、昨年の凱旋門賞を経験しており、勝ち馬から4馬身1/4差の5着に健闘。エネイブルにも先着を果たしており、一線級に混じっても遜色ない力を発揮して見せた。

まだGI勝ちこそないものの、今年は1勝2着3回と堅実な走りを披露。凱旋門賞に強いシーザスターズ産駒という点も侮れないし、12年覇者ソレミアのように、GI未勝利馬の一発も期待できそうな雰囲気を持っている。

現地人気も含め、過去10年で一度も1~3番人気の順当な決着がない凱旋門賞。今年も一筋縄ではいかないメンバーが揃い、大波乱も起きそうな、穴党垂涎の一戦。今回ピックアップした馬を中心に、一発長打狙いで日曜の夜を楽しく過ごしたいところだ。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。

《SPREAD》
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