【東京五輪/卓球】絶対王者・中国の牙城を崩せるか 水谷・伊藤の混合ダブルスも要注目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【東京五輪/卓球】絶対王者・中国の牙城を崩せるか 水谷・伊藤の混合ダブルスも要注目

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【東京五輪/卓球】絶対王者・中国の牙城を崩せるか 水谷・伊藤の混合ダブルスも要注目
  • 【東京五輪/卓球】絶対王者・中国の牙城を崩せるか 水谷・伊藤の混合ダブルスも要注目

24日から東京体育館で開幕を迎える卓球。中国勢が圧倒的な強さを誇る競技だが、前回16年は、男子シングルスで水谷隼が銅、男子団体で銀、女子団体で銅、と卓球ニッポンはメダルラッシュに沸いた。


今回の東京五輪では、男女シングルスと男女団体に加え、新たに混合ダブルスを実施。日本からは、張本智和(世界ランク4位、男子シングルス・団体)、丹羽孝希(同17位、男子シングルス・団体)、水谷隼(同18位、男子団体・混合)、伊藤美誠(同2位、女子シングルス・団体・混合)、石川佳純(同10位、女子シングルス・団体)、平野美宇(同12位、女子団体)の6名が出場する。ここでは、21日に決まった組み合わせから、各種目のポイントを見ていきたい。


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■若きエース、張本智和にかかる期待


男子シングルスの張本は第3シードとなり、第1シードの樊振東(中国、世界ランク1位)と準決勝で当たる組み合わせに入った。


最初の山場は、4回戦で対戦する可能性があるピッチフォード(イングランド、同15位)か。過去の国際大会での対戦成績は1勝3敗と分が悪く、19年ITTFワールドツアー・中国オープンでは4-0で快勝しているものの、同年のJA全農 ITTF 卓球ワールドカップでは2-3で敗れている相手。Tリーグに所属しており、国内での試合にも慣れているだけに、警戒が必要だ。


準々決勝では、アルナ(ナイジェリア、同21位)か林昀儒(チャイニーズタイペイ、同6位)と対戦する見込み。林昀儒が勝ち上がってくれば、過去の国際大会では2戦2勝だが、いずれも接戦を制しての勝利であり、ここでも粘り強さを発揮できるかが勝敗を分けそうだ。


順当に勝ち上がれば、準決勝でぶつかる樊振東は難敵。シングルスでは18年ITTFアジアカップで3-1で勝って以来3連敗中で、接戦にも持ち込めていない世界王者。樊振東は五輪初出場とあって、並々ならぬ思いを持って臨むはずで、張本のメダル獲得へ向けて、一番の高い障壁となるだろう。


仮に決勝まで進めば、逆山に入った第2シードの馬龍(中国、同3位)が相手か。過去の対戦成績は2勝4敗と、こちらも分が悪いが、19年ワールドカップや、20年ITTFワールドカップなど、途中まで張本がリードする展開が多く、体力面と集中力が続けば、撃破できない相手ではないだろう。


丹羽は第12シードに入り、4回戦ではオフチャロフ(ドイツ、同8位)との対戦が濃厚。1勝6敗と分は悪いが、6月に第1子が誕生し、父として臨む初めての五輪で、家族にいい報告を送りたいところだ。


■伊藤美誠、最大の山場は準決勝か


女子シングルスは伊藤が第3シードとなり、第2シードの孫穎莎(中国、世界ランク3位)と準決勝で当たる組み合わせに、石川は第5シードで、第1シード陳夢(中国、同1位)の山に入った。


伊藤は4回戦でサマラ(ルーマニア、同29位)、準々決勝では田志希(韓国、同14位)かA.ディアス(プエルトリコ、同18位)と対戦する見込みだが、いずれも格下で過去の対戦成績では相性も良く、この辺りは難なく突破してほしいところだ。


準決勝での激突が予想される孫穎莎と伊藤は、ともに2000年生まれの20歳でライバル関係。世界ランクでは伊藤が2位で上回っているが、国際大会での対戦成績は1勝6敗で、19年ITTFワールドツアー・スウェーデンオープンで4-2で破ったのがシングルスでの唯一の勝利。五輪初出場の孫穎莎に対し、リオで団体銅を獲得している伊藤に一日の長があるか。二人の激戦に注目したい。


石川は、準々決勝での対戦が予想される鄭怡静(チャイニーズタイペイ、同8位)戦が最初の山場。対戦成績は10勝9敗とほぼ互角だが、18年女子ワールドカップ、20年ITTFワールドツアー・ハンガリーオープンと連敗中。同世代のライバルを撃破し、準決勝で王者・陳夢に挑みたい。


■大番狂わせに期待したい団体


張本智和(C)Getty Images


男子の団体は中国と反対の山に入り、2大会連続のメダル獲得へチャンスが広がった。初戦はオーストラリア、準々決勝はスウェーデンとの対戦が見込まれる。


スウェーデンはファルク(世界ランク9位)、K.カールソン(同26位)、シェルベリ(同50位)と猛者が揃っており決して侮れない相手。ここを突破しても、準決勝では林昀儒(同6位)が率いるチャイニーズタイペイか、オフチャロフ(同8位)、フランチスカ(同16位)がいるドイツとの対戦となり、激戦が予想される。


王者中国を倒すのは容易ではないが、準決勝を突破できればリオと同様にメダルが確定し中国との決勝戦。五輪での経験値が高い水谷、丹羽に加え、若きエース・張本の奮闘に期待したい。


一方、女子の団体も中国とは反対のブロックとなり、3大会連続のメダル獲得へ向け、好都合な組み合わせになった。


初戦は格下のハンガリー、準々決勝はチャイニーズタイペイとの対戦が予想されるが、エースの鄭怡静(同8位)さえ押さえれば、大きく苦戦することはないだろう。準決勝は香港かルーマニアが相手。ここも実力的には日本が上回っており、ダブルスで着実にポイントを稼いで勝負を有利に運びたい。


決勝まで勝ち進めば、おそらく中国が相手。リオ金のメンバーである劉詩ウェン(同7位)に加え、陳夢(同1位)、孫穎莎(同3位)は最強の布陣。男子と同様、女子も倒すのは容易ではないが、大番狂わせが起きるのも五輪の魅力の一つ。12年ロンドン銀、16年リオ銅と来て、残すは金メダルのみだ。


■新種目混合ダブルスは強豪揃いのブロック入り


最後に今大会から新たに種目へ加わった混合ダブルス。日本は水谷隼・伊藤美誠ペアが出場する。第2シードの二人は、第1シードの中国ペアと反対のブロックに入り、決勝まで戦うことは避けられたが、日本のブロックは強豪が揃う難敵ばかりだ。


初戦はフェガール・ポルカノバ(オーストリア)と対戦。ここは格下で順当に突破したいところだが、続く準々決勝では、19年世界選手権3位のフランチスカ・P・ゾルヤ(ドイツ)、準決勝は、林昀儒・鄭怡静(チャイニーズタイペイ)か李尚洙・田志希(韓国)との対戦が見込まれ、いずれも気を緩めることのできない実力者ばかり。決勝で待っている許昕・劉詩ウェン(中国)まで、厳しい戦いが予想される。


混合ダブルスは、男女別のダブルス以上に結果が読めないと言われている。テニスやバドミントンのダブルスと違い、2人が必ず交互に打たなければならない卓球は、男性が打った球を女性が取らなければならないなど、戦略が重要。水谷の安定性と、伊藤の変幻自在のプレーが、世界を相手にどのような融合を果たすか。卓球新種目にも注目したいところだ。


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文・SPREAD編集部

《SPREAD》
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