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今季のプロ野球では、北海道出身選手の活躍が目覚ましい。
ロッテのドラフト4位ルーキー・河村説人が、7日のソフトバンク戦でプロ初先発。5回を2安打1失点に抑え、うれしいプロ初勝利をマークした。
河村は北海道勇払郡むかわ町出身で、192センチの長身から繰り出される最速150キロのストレートと、フォークが武器の本格派右腕。白樺学園高校では3年の夏にエースとして甲子園に出場。その後、亜細亜大学に進学も中退。星槎道都大学に再入学すると、3年時には大学日本代表候補に選出。4年時もリーグ優勝に貢献し、最高殊勲選手賞を受賞した。
2020年、コロナ禍の影響で明治神宮野球大会が中止となり、北海道地区代表決定戦の代わりとして行われた「北海道大学王座決定戦」では、苫小牧駒大の伊藤大海(現・日本ハム)と投げ合い、ともに2失点で痛み分け。今度はプロの舞台で、2人の対決が実現するかもしれない。
■伊藤大を筆頭に、北海道出身選手が大活躍のシーズン
また、前述の伊藤大海は北海道茅部郡鹿部町の出身。北海道移転後、初の道産子1位として日本ハムに指名され、ルーキーながら開幕ローテーション入りを果たすとここまでチームトップタイの6勝をマーク。防御率2.65は、規定投球回に到達していないものの、リーグ3位相当の成績。奪三振率9.64は、リーグ1位のオリックス・山本由伸(9.70)に匹敵する数字で、低迷するチームの柱として十分な働きを見せている。
侍ジャパンにも追加召集され、東京五輪での活躍が期待される若き右腕。新人王も視界に入っており、後半戦でどこまで数字を伸ばすか注目だ。
同じく日本ハムから、守護神としてチームを支える杉浦稔大も北海道帯広市出身。2013年のドラフト1位でヤクルトに入団し、主に先発を務めていたが、ケガの影響もありポテンシャルを発揮しきれず、2018年に日本ハムへ移籍。今季はここまでリーグ3位の16セーブを挙げ、クローザーとしての役目を十二分に果たしている。
■育成出身の左腕やチームに欠かせないあの救援投手も…
河村がプレーするロッテでは、本前郁也も北海道札幌市出身。2019年の育成ドラフト1位で入団すると、今年のオープン戦で結果を残し、支配下契約を勝ち取った。4月1日の楽天戦でプロ初登板初先発を果たすと、5回5安打4失点ながらプロ初勝利。その後は4試合に先発し、なかなか結果を残せていないが、貴重な左腕としてチームに貢献する活躍を見せたい。
そのほか、巨人のリリーフ陣を支える鍵谷陽平(北海道亀田郡七飯町)、DeNA中継ぎの一角である砂田毅樹(北海道札幌市)、抜群の安定感で西武のブルペンを支える武隈祥太(北海道上川郡東神楽町)、ソフトバンクのベテラン・明石健志(北海道旭川市)、戦線離脱中だが、序盤は西武のリードオフマンとして活躍を見せたドラフト4位ルーキー・若林楽人(北海道白老郡白老町)など、北海道出身のプレイヤーたちが多数存在感を発揮している。
ご当地選手の動向や出身地別に選手を応援するのも、またプロ野球の醍醐味の一つだろう。
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文・SPREAD編集部