【高松宮記念】レスシテンシアら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン! | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【高松宮記念】レスシテンシアら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

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【高松宮記念】レスシテンシアら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!
  • 【高松宮記念】レスシテンシアら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

いよいよ怒涛の春GIシリーズがスタート。ここから宝塚記念まで連勝街道まっしぐら!となりますよう、読者様の健闘をお祈りいたします。このコラムもその一助となれば幸いですね。今週末は春のスプリント王を決する高松宮記念。このレースの有力馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン!」として調整面から狙える穴馬もご紹介。


どうぞご参考になさってください。


■レシステンシア


【中間調整】2週続けて坂路で猛時計を出して臨んだ前走・阪急杯ではデキの良さをそのままレースに反映させたような走りでレコード勝ちを収めた。その後、本番までは中2週とあって在厩で調整。中間の初時計だった3月17日の坂路調教では武豊騎手を背に4F50秒3-1F11秒7(強め)と、レコード勝ち直後とは思えない超抜の数字を叩き出した。反動は微塵も感じさせず、高値安定。


【最終追い切り】1週前追いであれだけ走ればもう負荷は不要。最終追いは馬なりで坂路単走だったが、馬に気持ちが乗っているのか自然とピッチは上がりラスト2F12秒8-11秒9と理想的なギアチェンジぶりを見せた。前脚を遠くに飛ばす好調時のフォームで走れており、目標の一戦に狂いのない仕上げと言える。誤算と言えば本来の鞍上・武豊騎手が離脱したため、浜中騎手が騎乗することだがそこまで癖のない馬なので大きな問題ではないだろう。3月26日に浜中騎手が跨り、坂路15-15で感触を確かめており抜かりはない。


【見解】阪急杯時の仕上げがキンキンで、実戦ではレコード駆けだった。反動が出て当然のシチュエーションだが、中間の動きはますます意気軒高といったところ。前走で昨春桜花賞2着時の482キロから26キロ増の508キロだったがまったく太く見せなかったし、今週木曜発表の「調教後馬体重」は516キロ。もちろんレース当日の体重がどう出るかはわからないが、とにかく現状速く走ったダメージを凌駕する回復と成長がある段階と考えていいのかもしれない。気配で言えばさすがに前走以上はないが、維持しているだけで十分。ここの勝ち内容次第だが、昨年のグランアレグリア級の活躍まで期待したくなる。


総合評価「S」


■ダノンスマッシュ


【中間調整】自身2度目の挑戦だった昨年12月の香港スプリントを中団から鋭く脚を伸ばして勝利。悲願のGIタイトルを手にした。昨年はオーシャンSで帰国初戦を迎えたが、今年は高松宮記念へ直行。2月17日に栗東へ戻り、返す刀での国内GI制覇へ入念に追われている。ただし2月21日の初時計以来、3月7日までいささか調整ペースが手緩かったのは気になるところ。基本14-14消化に留め、気持ちだけ促した3月4日の坂路追いでも4F53秒6と水準級だった。3月10日からようやく負荷を強められ坂路4F51秒7(一杯)、1週前にあたる3月17日が坂路4F50秒6(一杯)。“間に合わせた”感は否めないが、快速馬として恥ずかしくない時計は出せている。


【最終追い切り】2週続けてかなりの負荷を掛けてあるので、最終追いはリラックスさせることを主眼にある程度ゆったりした入り。中盤からギアをグッと上げると長く、トップスピードを維持してラスト1Fは楽に1F12秒0。フォームからはあまり速いと思わせないが、それでいて実際の数字が出ているのは、それだけ上手に体が使えているということか。


【見解】1週前追いはさすがの全体時計だし、当週の落ち着きぶりもさすが。GIタイトルを得て貫禄をさらに増した感がある。ただし、帰厩してからしばらく手緩かったあたりがどうか。海外遠征帰りそのものはこれが2回目。昨年は帰国初戦のオーシャンSをあっさり快勝していたが、その時と見比べるとやはり速い時計を出し始めたタイミングが今回遅い。“重箱の隅”レベルかもしれないが、気になるところではある。


総合評価「B」


ラウダシオン


【中間調整】前走のシルクロードSが2歳夏以来の1200m戦だったが、いい二の脚から流れに乗り2着ライトオンキューにアタマ差の3着。もともと前進気勢旺盛なところを見せていたこともあるし、スプリント路線で十分やれそうな走りだった。その後は予定通り高松宮記念への進出を企図して短期放牧を挟み、3月3日に栗東へ帰厩している。3月7日にCWで14-14を出したのが初時計。3月10日の2週前追いは併せ馬で気持ちを乗せ、1週前追いでビシッと負荷を掛ける調整でレースが近いことを知らせる、いつも通りの調整ができている。


【最終追い切り】1週前が実質の最終追いで、レース当週はいささか拍子抜けするほどの軽い内容だった。M.デムーロ騎手背にCW単走。コースを大きく回してリズムを保ち、促したのはラスト1Fだけだった。時計面は強調できないが、メリハリがあり柔軟な脚捌きには好感が持てる。


【見解】スプリントGIを走るにあたって坂路で一切走らず、CW追いオンリーというのはいささか違和感を感じるかもしれない。しかしこの馬の気性面を考慮して、前向き過ぎるところをどうレースで活かすか厩舎なりに苦心してこの調整法を選んだということだろう。久々のスプリント戦だった前走時もこれで一応の結果を出している。そして今回と変に“GI仕様!”とばかり坂路で速い時計を出すような調整ではなく、いつも通りを貫けたことを評価すべきかも。CWオンリーでも1本は時計的にインパクトのある調教は欲しかったところだが、自分の競馬はできる態勢と言える。


総合評価「B」


<プラスワン!>■ライトオンキュー


【中間調整】前走のシルクロードSが4カ月ぶり。かつ、ハンデ57.5キロでかなり厳しい条件に思えたが2着を確保した。その後は短期放牧を挟み、2月下旬に帰厩。時間を掛けて順調に乗り込まれている。3月10日、この中間初めてしっかり負荷を掛けられた坂路調教で4F49秒2(一杯)と自己ベストにコンマ1秒まで迫る猛時計をマーク。前走時も2週前に49秒6を出せていたが、4カ月ぶりを使われ硬さがほぐれたか、状態面は大きくアップしたようだ。3月17日の1週前は序盤に少し楽をさせ、終いだけビシッと。いつもの調整パターンを踏襲し、4F51秒0(一杯)とこちらも申し分のない時計を出せていた。


【最終追い切り】2週続けてしっかり負荷を掛けてあり、最終追いは馬なりで。併せ馬で終始、横に並び続けるという闘争心をしっかり磨き上げる内容に徹することができたのは好感。結局馬なりのまま4F51秒5-1F12秒0と、手応えが楽だったことを考えればなかなかの数字をマークできた。


【見解】前向きな気性の馬で4カ月ぶりの前走も稽古、実戦と動けていた。しかしやはり1回使われた現状の動きは迫力が違う。前走重い斤量を背負って好走した反動は感じられず、順当に上積みだけが見込める状況だ。前走時の最終追いはスパッと抜け出したが、今回は3歳未勝利とは言え稽古駆けする相手との併走で気合いの溜め方が数段上と言える。GIでの勝ち負けをバリバリに意識した調整ぶりは魅力十分。


総合評価「A」


著者プロフィール


西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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