【競馬】「金鯱賞」デアリングタクトら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン! | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【競馬】「金鯱賞」デアリングタクトら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

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【競馬】「金鯱賞」デアリングタクトら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!
  • 【競馬】「金鯱賞」デアリングタクトら有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

先週の弥生賞はこのコラムで「プラスワン!」として取り上げたソーヴァリアントが4着。さすがに前残りの展開で、しかも前でレースを運んだのが力上位の馬とあって、差し届かずでしたが、上がり最速タイの末脚を繰り出し、8番人気という評価以上の走りは見せてくれました。反面「万全とまでは言い切れない」と評したタイトルホルダーが逃げ切って快勝。休養期間の短さから「完成度の維持」に重きが置かれ、その分「成長度合い」はどうかという中間調整の見立てでしたが、鞍上・横山武騎手の積極策には脱帽するしかありません。


さて今週は近年実力馬の参戦が目立つようになっており、今年もGIウイナーが何頭も顔を揃える金鯱賞の有力馬の中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン!」として調整面から狙える穴馬もご紹介。


このコラムがみなさまの重賞攻略のお役に立てば幸いです。どうぞご参考になさってください。


◆【穴馬プラスワン!】「好勝負に持ち込めそう」と総合評価「S」の伏兵は……


■デアリングタクト


【中間調整】3冠馬3強が激突し、世紀の一戦と評された昨秋のジャパンCで差のない3着。キャリアで初の敗北だったが、なんら恥じることのない結果だった。その後休養に入り、2021年春の大目標をクイーンエリザベス2世C(4月25日、シャティン競馬場)に設定。国内での初戦を金鯱賞として、2月10日に栗東へ帰厩。14日に坂路15-15で息を入れられると、以降はいつも通りの坂路・コース併用調教。2週前のコース追いに不動の主戦・松山騎手が跨った際はややテンションが高くなる素振りを見せたが、鞍上がなんとか制御できていた。1週前の併せ馬にも松山騎手が騎乗。前週ある程度動かされてはいたが、まだ気持ちが戻り切っていないような感じで併せ馬には遅れ入線に終わっていた。


【最終追い切り】1週前追いが時計的には上々ながら、やや気迫不足。それを踏まえた坂路最終追いで、松山騎手はある程度出していく稽古内容を選択した。これまでの最終追いでは「坂路4F55秒0-2F25秒5」という方針に沿って行われていたが、この時計がデアリングタクトにとって課題のテンション面を刺激せず、それでいて心肺と体のバランスを整えられる絶妙なポイントということなのだろう。しかし今回は1週前の物足りなさを補う意図から、この馬の最終追いとしては破格の4F52秒9でフィニッシュしている。走りそのものはさすがの迫力。前週で見せたモタれるような面もなく、楽にブレなく走れていた。


【見解】予定通り牧場で過ごし、調整過程もすこぶる順調。ただしレースへ向けて闘魂注入したい1週前追いでそこまでガッツリ攻め込まなかったあたり、次の海外遠征を見据えての仕上げという意識は強そう。最終追いで鞍上がサジ加減を調整して速い時計を出し、若干の味付けをしたが「4F55秒0-2F25秒5」という“ルーティン”を崩したあたりは、一抹の懸念を感じるところ。本数そのものは十分で、恥ずかしい競馬にはならなさそうだが、取りこぼすシーンも想定しておきたい。


総合評価「B」


■グローリーヴェイズ


【中間調整】渾身の仕上げで臨んだ昨年秋のジャパンCで2着コントレイルにクビ+ハナ+クビ差の5着。早めに抜け出したキセキを目標に動き、いわゆる勝ちに行った分の5着だが、流れひとつ乗り方ひとつ違っていれば連対は十分にあった内容だった。激戦の反動は大きかったようで、脚元の疲れを取るために有馬記念AJCC京都記念などは見送り。川田騎手が確保できるこのレースからの復帰が決まり、2月13日に美浦へ戻っている。しばらく様子を見られ、18日にウッドコースで14-14を消化したのが初時計。ここで3歳馬相手とは言え貫禄の動きを示し、リフレッシュぶりをアピールした。そこから調教強度が上げられ、坂路とウッドを併用した入念な調整が続く。1週前追いにはウッドコース併せ馬を行い、終いにグイグイ攻められると渋った馬場をものともせず、先行馬をパスした。7日の日曜には左回りでの動きも確認する念の入れよう。


【最終追い切り】万事順調に進んで迎えた最終追いは簑島騎手を背にウッドコースで併せ馬。1週前に負荷を掛けており、今週は無理をさせず終始馬なりだったが3馬身差を楽に詰め、外を回ってダイナミックに脚を伸ばすと楽々併入フィニッシュに持ち込んでいる。相手も稽古駆けする馬だが、我関せずと一定のリズムで首を上手に使えていたのが好印象。


【見解】昨年秋の疲れがなかなか抜けなかったようだが、現状の動きからはそれを感じさせない。体の緩みは一切ないし攻めの濃密度、負荷を見るとここを使ってからどうこうというフシは感じられずメイチ気配が漂う。このあとはまた休ませ、昨年大凡走に終わった宝塚記念直行が本線だろう。距離不足な感はあるし中京で走るのは初だがが、底力とデキの良さから首位争いできてなんら不思議はない。


総合評価「A」


■ポタジェ


【中間調整】2カ月半ぶりの前走・白富士Sはオープンへの昇級初戦だったが、渋太く馬群を割って抜け出すと後続の追撃も凌いで昇級即V。連勝を4に延ばした。その後短期放牧に出され、このレースを念頭に2月下旬に帰厩。21日に坂路14-14を消化すると、25日にCWで7Fからの併せ馬と一気に強い攻めをこなした。ここでは併せ馬でアオられたが、相手は稽古駆けするタイプだったし、時計そのものは帰厩そうそうとしては上々のもの。3月3日の1週前追いは北村友騎手が跨ってCWで3頭併せを行ったが、鞍上の仕掛けに力強く反応して最先着を果たしている。


【最終追い切り】最終追いは北村友騎手を背に栗東芝コースで併せ馬。過去2走の最終追いがポリトラックで背腰に疲れを残さないことを主眼に置いたものだったが、今回もサーフェスは異なるものの同様の考えからだろう。コーナーをタイトに回ったにしてはやや平凡な時計だったが、先行させた相手にはしっかり食らい付き、そこから手前を替えるセンスの高さを見せていた。


【見解】牧場でそこまで緩められなかったようで、帰厩2本目の調教でCWコース7Fからという意欲的な攻めを消化できたのは好感。2カ月半ぶりとしてはやや手緩く、なんとか間に合ったかという感じの前走から大きく体調面で向上したようだ。最終追いを軽い負荷、負担の少ない路盤で行い気持ちの調整に充てるのはこれまで同様。最終追いをCWでしっかり追えるぐらいまでになればもう何段階か競走馬としてレベルアップしてきそうだが、それは今後の成長待ちとしたい。現状できることはしっかりやれており、実戦での渋太さをしっかり発揮できる状況。GIIでもいい意味で相手なりに走れそうだ。


総合評価「A」


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著者プロフィール


西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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