男子テニスのロジャー・フェデラー選手が、自身のツイッターで「男女プロ団体は統一すべきではないか」とファンや関係者に投げ掛けた。
フェデラー選手の投稿は多くの反響を呼び起こし、長年のライバルでもあるラファエル・ナダル選手も「完全に同意する」と返信した。
ATPとWTAを統合して統一プロ団体を

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フェデラー選手は4月22日に「疑問なんだけど、いまこそ男子テニスと女子テニスが1つになって団結するときだと思うのは私だけだろうか」とツイート。
ATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)に分かれている現在の体制から、男女合同の統括プロ団体に一本化する案を示した。
フェデラー選手は「同じコート上で競い合うというわけではなく、男女プロツアーを統括する団体(ATPとWTA)を統合するという意味なんだけど」と補足ツイート。
さらにファンの返信に答えながら「異なるランキングシステム、ロゴ、ウェブサイト、トーナメントのカテゴリーが違うとファンは混乱してしまう」と団体統一のメリットについて語った。
「未だに行われてないことが信じられない」というファンの声にも「もっと早く着手していれば良かったのかもしれないが、いまがその時なのだろう」と答えた。
ラファエル・ナダルが賛同 WTA創設者も「実現させましょう」

ラファエル・ナダル選手 (c)Getty Images
フェデラー選手の提言を引用しながらナダル選手も賛同する。
「これまでにも議論してきたから分かってると思うけど、その考えには完全に同意する。男女のテニスが1つになってこの世界的な危機を乗り越えることができたら素晴らしい」
また、4大大会シングルス12度の優勝を誇り、WTAの創設に関わったビリー・ジーン・キングさんも「私も同じことを考えていますし、1970年代からずっと言ってきました。男女が1つになって声を揃える。それが私のテニス界のビジョンでした」とツイッターで同意した。
女子テニスの地位向上を訴えて女子選手だけのプロツアーWTAを創設したキングさんだが、「WTA単独での活動は常に次善の策でした。私たちが同じ考えを持っていて良かった。実現させましょう」とATPとの統合に乗り気だ。

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コロナ禍に「強い1つの身体」で立ち向かう
テニス界は新型コロナウイルスの世界的パンデミックで大きな被害を受けている。プロツアーは最短でも7月中旬まで再開されず、4大大会もウィンブルドン選手権が戦後初の中止に追い込まれ、全仏オープンも9月下旬への延期が決まった。
ツアー中止の影響は、下部ツアーを中心にサーキットするランキング下位の選手を直撃している。大会中止で賞金収入が途絶え、安定した収入減だったコーチ業もレッスン中止でなくなり、多くのプロ選手は財政状況が急激に悪化している。
フェデラー選手は「すべてのスポーツが大変な時期だ。テニスは弱った2つの身体、もしくは強い1つの身体で抜け出すことができる」と力を合わせてコロナ禍に立ち向かうことを訴えた。