新型コロナウイルスの影響により、卓球界も他のスポーツと同様に大きな影響を受けている。
国際卓球連盟(ITTF)は、3月に韓国・釜山で開催予定だった世界選手権団体戦を、一度6月に延期としたが、9月末に再延期と発表。国際大会も6月末日まで一時中断となっている。
日本卓球協会も、9月までの各カテゴリーの全国大会も中止と発表した。これには小学生の全国大会も含まれる為、全国から残念がる声が聞こえている。
2シーズン目を終えるはずだった『ノジマTリーグ』も3月開催予定のプレーオフファイナルを延期。現在、日程検討中である。
東京都の緊急事態宣言を受け、ナショナルチームの練習拠点となる『味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)』も5月6日まで使用停止となり、トップ選手の練習拠点も無くなりつつある。
また、トップ選手だけでなく一般愛好家たちも卓球をする場がなくなっている。公共の体育館などの施設は使用停止、多くの卓球スクールも営業自粛しており、日本の卓球業界としても危機的な状況になりつつある。
1986年神奈川県生まれ。卓球「Tリーグ」で働く、卓球大好きマニア。
トップ選手たちはSNSでファンと交流
思うように練習が出来ない状況で、卓球選手もSNSやYouTubeにて、自宅でのトレーニング動画公開や、LIVE配信等でファンとの交流を増やしている。
2016年リオ五輪団体銀メダル、シングルス銅メダルの水谷隼は、TwitterのLIVE配信でファンからの質問大会を実施。実際にラケットを持ち、プレーを披露する場面もあった。
Wifiにしました^_^ https://t.co/w6CRsXzdRD
— 水谷隼 (@Mizutani__Jun) March 19, 2020
他にも、趣味のスマホゲームでオンライン大会を開く等、ファンとの交流を積極的に楽しんでいる。
1000人大会お疲れ様でした^_^
急な開催でしたが満員になり楽しい思い出になりました
またみなさん一緒にやりましょう( ´∀`)
そして5位までに入賞されたみなさんおめでとうございます
もし良ければDMください
6位はまさかのいつもフレバトしているNagiさんさすがです
pic.twitter.com/fRzKmUf3np
— 水谷隼 (@Mizutani__Jun) April 10, 2020
2016年リオ五輪団体銀メダリスト・吉村真晴は、公式YouTubeチャンネルを開設。初回はチキータの技術紹介から、全日本社会人チャンピオンの大矢英俊との試合動画を投稿した。
マハルファンが嬉しいだけでなく、彼を目指して努力する子供たちにも参考になる内容となっている。また、今までの卓球Youtuberよりも凝った編集が話題となり、今後の投稿も楽しみである。
吉村真晴の弟、吉村和弘もSNSにて積極的に発信。「#和弘塾」と題して、自信の得意なバックハンドやトレーニングの紹介。チームメイトである東京アートの選手の技術解説を行っている。
また、自宅のテーブルで行った、真晴との兄弟対決も話題になった。
我が家に真晴がきたので、
家で卓球しました。
8ー8から試合もしました!
さぁ、どちらが勝ったかなー??
前半と後半で動画があります。
まずは前半からどうぞ#吉村兄弟#お家時間 pic.twitter.com/GujPBivp53
— 吉村和弘 (Kazuhiro Yoshimura) (@kzhr0728) April 7, 2020
2017年世界卓球ダブルス銀メダルの大島祐哉は、Instagramにて「上半身編!」と題し、自宅トレーニングの動画を公開。
卓球界きってのイケメンであり、身体能力を誇る大島選手。愛犬が見守る中、一人黙々とトレーニングをこなしている。このような地道なトレーニングが、大島選手のパワフルなプレーを支えていることを実感できる。
ノジマTリーグのチームでも、琉球アスティーダ、岡山リベッツが、新契約選手の発表を公式YouTubeチャンネルや、監督自らのLIVE配信で発表。
これは昨シーズンには見られなかった取り組みで、ファンが少しでも楽しめるような工夫をしている。
ファンだけでなく、卓球場にエールを送る選手も
ファン向けではなく、卓球業界の為にSNSを活用している選手がいる。T.T彩たま所属のジンタクこと神巧也だ。
神選手は、「卓球界の為に、卓球の未来のために。少しでも力になりたいです」との思いから、『#新型コロナに負けるな卓球場ショップ応援プロジェクト』を発表。
プロ卓球選手である自身のSNSを利用し、お店の認知向上、現状の共有、アピールポイント等を紹介し、積極的に拡散している。
《全国の卓球場、卓球ショップの皆様へ》
拡散お願いします。
卓球界の為に、卓球の未来のために。少しでも力になりたいです。https://t.co/OgdQUKcMVk#卓球#拡散希望 pic.twitter.com/p63kmzy4aB— 【祭男】ジンタク/JIN TAKUYA (@jintaku15) April 7, 2020
私個人の周りでも、卓球場を経営している知り合いが何人もいるが、自粛せざるを得ない状況は大変厳しいと聞いている。
そのような状況下で、トップ選手自らが行うこのような取り組みは素晴らしく、全国の卓球場ショップ経営者を勇気づける活動だ。
海外では日本よりも早く自宅待機となっている選手も多い。しかし、自宅のリビングや、ガレージに卓球台を置き、マシンで練習している選手たちも。このあたりは、日本選手ではなかなか見られない光景だ。
When you don’t have an opportunity to go to the hall…
Adina Diaconu has training with robot
#TuesdayMotivation #StaySafe #KeepFit #COVID19 #TableTennis pic.twitter.com/telJkyc8S8
— ETTU (@ETTU_TTennis) April 7, 2020
このように卓球界では、世界的にも大会中止となり、トップ選手から愛好家、学生、子供までが、練習をできない、卓球を楽しめない状況となっている。
その中で、トップ選手の発信というのは、不安な生活の中で明るい話題であり、積極的に発信をしてもらいたい。
私も一卓球人として、卓球界全体でなんとかしてこの難局を乗り越え、また皆で卓球を楽しめる日がくることを強く願っている。
1986年神奈川県生まれ。卓球「Tリーグ」で働く、卓球大好きマニア。学生時代は滝川第二高校、筑波大学にて、全国大会での活躍を目指し、卓球漬けの毎日を送る。一般企業に就職も、卓球の仕事がしたいと思い会社を辞め、今に至る。現在も社会人チームの美しが丘クラブに所属し、 試合後の反省会をするのが大好きな33歳。 Twitter @yuta_terui