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12月23日、ボクシングWBA世界ミドル級王者の村田諒太選手が、横浜アリーナで初防衛戦に臨む。王者として迎える世界戦は2度目だが、2018年10月の防衛戦では失冠。再度奪取したベルトを今度こそ防衛できるか。
2回TKO勝ちを収めた2019年7月以来となる試合の対戦相手は、同級8位のスティーブン・バトラー選手(カナダ)。プロ通算戦績は28勝24KO1敗1分けでKO率86%を誇る。
バトラー選手には指名挑戦者としてWBOタイトルに挑戦するプランもあったが、「より魅力的なオファーが届いた」として世界タイトル初挑戦の相手に村田選手を選んだ。
ムラタを倒します!
— Steven Butler (@BangBangButler) December 16, 2019
持て余したエネルギーを発散 ボクシングに救われた少年時代
バトラー選手がボクシングを始めたのは12歳のとき。アマチュア時代には18歳の最年少記録でカナダ国内王者になった。祖父も1970年代にミドル級で活躍したボクサーだが、ボクシングを始めた理由は別のところにあるという。
「私が5年生のとき、私に過活動だとラベルを貼った人たちはリタリンの服用を勧めてきました。いまの私はボクシングを通じて心の安らぎを得ています。他のスポーツでは、ボクシングのように怒りやエネルギーを発散できませんでした。いまの私に薬は必要ありません。グローブが振れた瞬間、私は自由になります。ボクシングが私の新しい処方です」
最初はそれほどボクシングに真剣ではなかったバトラー選手だが、16歳のときに自分が何をしたいのか真剣に考え、出た結論が「ボクシングでチャンピオンになるだけでなく、伝説になりたい」だった。
村田諒太戦へ「準備完了」
バトラー選手は来日後、タイトルマッチに向けて極秘練習を続けていたが、19日にカナダのテレビ局『TVA』のインタビューに応じた。
世界戦に向けて「状態は100%、200%と言ってもいいかもしれない」と調整は順調なようだ。
21日にはインスタグラムを更新して「準備完了」と投稿した。