平坦なトンボがけまで3年…甲子園の番人「阪神園芸」の一人前とは | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

平坦なトンボがけまで3年…甲子園の番人「阪神園芸」の一人前とは

スポーツ まとめ
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高校野球の夏。西宮に雨が降ると、ひとつのワードがTwitterの検索トレンドに現れる。

「阪神園芸」

8月8日、台風が迫り来る第1日の第2試合(済美 対 東筑)は4回裏、激しく降り出した雨のため一時中断となった。1時間後、変わり果てたグラウンドに颯爽と現れたのが、阪神園芸だった。BS朝日は阪神園芸によるグラウンド整備の様子をそのまま中継し、Twitterでは一時トレンドに入るほどの盛り上がりをみせた。





今や高校野球の名物となっている「阪神園芸」とは、一体どんな会社なのだろうか。調べていると、昨年の秋の求人情報を発見した。

ただグラウンドを平らにするだけが仕事ではない。降水確率が高い日は固めに整備したり、乾燥しやすい季節は水もちの良い黒土を多めに配合するなど、天候に臨機応変に対応することが必要になるという。試合中はバックヤードからボールの跳ね方や選手の動きを見て、整備の方法や手順の打ち合わせを行い、5回終了時に整備に向かう。

プロ野球のオフシーズンは、グラウンドの土の掘り起こしや、芝生の張り替えなど、一年中作業が尽きない。教育体制の欄には以下のような記載があった。

『整備の技・ノウハウを身につけるためには、実践あるのみです。入社後は早速グラウンドに立ち、トンボがけやトラクターの運転にチャレンジしましょう。トンボがけといっても、平坦にならせるようになるまでは2~3年を見込んでいます(トラクターの運転は数週間で習得可能)。また、名物となっている水まきも、高水圧のホースを自在に扱えるようになるまでは訓練が必須。10年やって一人前。そんな世界です。』

トンボがけ3年、ホース10年。筆者も高校時代ソフトボール部に所属していた時には、グラウンド整備について厳しく指導された。グラウンド整備の甘さから出たイレギュラーが、大きな怪我に繋がったり、試合の流れを変えたこともある。

試合の鍵は、球場を支えるグラウンドキーパーも握っている。




《山本有莉》

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