この一報に触れ、NHKをはじめメディア各社は大々的に報道。浅田選手の人気を改めて確認するとともに、時代の変化を感じずにはいられない出来事でした。
スポーツの媒体を運営していると、フィギュアスケートのニュースに対する、一定読者の熱烈な反応があることを肌で把握できます。それだけ、フィギュアスケートファンの熱は日本でも醸成されているということのようです。このフィギュアスケート熱の醸成にあたり、中心にいた選手こそ浅田選手ではないかと感じます。
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浅田選手は、1990年9月25日生まれ。2005年のグランプリファイナルで優勝しましたが、年齢制限で2006年のトリノ五輪には出場できませんでした。トリノ五輪では荒川静香選手が金メダルを獲得するに至ります。
浅田選手はその後、グランプリファイナルは、2008年、2012年、2013年で優勝。世界選手権は2008年、2010年、2014年で優勝。四大陸選手権は2008年、2010年、2013年で優勝と、優勝だけをあげても驚異的なキャリアです。五輪は2010年バンクーバー大会で銀メダルを獲得。このあたりまではキム・ヨナ選手(韓国)との熾烈かつ華麗な戦いもあり、日本のフィギュアスケートファンを引きつける要因になったのでしょう。
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◆純朴な人柄
こうした実力もさることながら、メディアを通して伝わる純朴な人柄も日本のファンに広く愛されてきました。卓球の福原愛選手同様、少女の頃から一線で活躍する姿をテレビなどを通じて観戦することは、視聴者にとって姪っ子のような感覚とでもいいましょうか、浅田選手の成長の過程も折に触れて感じさせてくれるものでした。
なお、浅田選手のライバルと目されてきたキム・ヨナ選手は、2010年バンクーバー五輪で金メダル。2014年ソチ五輪で銀メダルを獲得後に引退。キム・ヨナ選手も浅田選手と同じ1990年生まれなので24歳での引退となっています。
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◆フィギュアスケートという過酷な競技と年齢
競技によりピークの年齢はさまざまあると思いますが、特に女子フィギュアスケートのような競技は10代の体の方がジャンプやループは有利という見方があります。
一方で、若年選手に過度なトレーニングなどを課してしまう危険性などを考慮して、国際スケート連盟でノービス、ジュニア、シニア、という年齢制限の枠を用意。今回浅田選手は26歳で引退ということになりましたが、5歳からフィギュアスケート始めていたという浅田選手のキャリアは21年にわたるもので、精神的な面に加え、フィジカル面での厳しさもを想像することは難くないのです。
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◆健気な戦い
さらに加えると、浅田選手の家族環境も折に触れ報じられます。選手として成熟期にあるなかでの母との別れや、姉である浅田舞さんのメディアでの活躍など、スター選手でありながら家族との関係は一般の方も実感できるような紆余曲折を経て、それでも健気に戦い続けました。視聴者には浅田真央選手を身近に感じられる要因になります。
日本の女子フィギュアスケート界の第一人者としては、伊藤みどりさんが挙げられます。その伊藤さんをリスペクトし、彼女との交流も浅田選手の成長を促したことでしょう。伊藤さんは1992年に引退、当時23歳でした。こうしたことからも、フィギュアスケートの過酷さと、年齢を重ねての現役続行の難しさを垣間見ることができます。
26歳まで現役を続けた浅田選手。この年齢まで現役でいることは驚異的であることがわかります。浅田選手のフィギュアスケートへの愛情こそが、日本のフィギュアスケート文化醸成の熱につながっていたことは確実です。そして26歳の年齢まで現役でい続けてくれたことが、どれだけ貴重な時間だったかを痛感するに至ります。
浅田選手が26歳まで続けてくれたことで、フィギュアスケートへの情熱は新しい世代に十二分に引き継がれたのです。