その女子プロ野球のプレシーズンゲーム「ウインターカップ」戦が2月末、愛知県一宮市営球場で行われた。
好天に恵まれた早春の週末の土曜日。いよいよ球春到来という季節になってきた。女子プロ野球の世界にも、球春はやってきた。
■1回戦(2017年2月25日・一宮市営球場)
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(ディ)古谷恵菜、坂東瑞紀―寺部歩美
(フロ)小西美加、塩谷千晶―泉由希菜
今季の女子プロ野球は3月25日(土)に、京都市のわかさスタジアムで開幕する。そのプレシーズンイベントとして1ヶ月前の土曜日、一宮市営球場に3チームが集まった。
第1戦は兵庫ディオーネと京都フローラの対戦となった。女子プロ野球は、三沢高校時代には元祖甲子園のアイドルとも言われていた元近鉄・太田幸司氏がスーパーバイザ―として参加している。
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スーパーバイザー・太田幸司氏
日本のプロ野球が80年かけて徐々に進化していったのだが、女子プロ野球は限られた環境の中で、それでも確実に進化していると言う。
「女子プロ野球は、始まってまだ8年ですけれども、その期間だけでも毎年確実にレベルアップしています。スタート当初に比べたら、驚くくらい選手の技術は上がっています」
もちろん、1期生とも言われる世代でまだまだ元気で頑張っている選手もいる。この日の京都フローラで先発した小西美加投手(北嵯峨高ソフト→龍谷大ソフト→大阪ブレス→スマイリーズ→ハニーズ)もそんな一人だ。女子プロ野球界ではベテラン投手といっていいのだが、この日は5回を投げて無失点に抑えた。
序盤は制球に苦しんだところもあったが、4回と5回は安打されつつも、その後をしっかりと押さえて、ベテラン投手の巧みな投球術を示した。
また、兵庫ディオーネの古谷恵菜投手は福知山成美高の硬式野球部でプレーし、女子プロ野球の進んだ2年目に育成のレイアから昇格してきた。今年の活躍が期待される若手投手だが、4イニングを投げて2安打で無失点に抑えた。今季への期待を膨らませてくれる好投だった。
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兵庫ディオーネ・板東瑞紀
0対0で進んだ試合は、そのまま終盤を迎えた。プレシーズンということもあって、どちらも継投となったが、京都フローラは塩谷千晶投手(加藤学園ソフト→ドリームス)、兵庫ディオーネは地元出身の坂東瑞紀投手(至学館→至学館大)がそれぞれ二番手としてマウンドに立った。
均衡は6回に破れた。京都フローラは3番・三浦伊織(椙山女学園テニス→ドリームス)が中前打。最高打率で5割を経験したほどの巧みなバットコントロールからなる技ありのクリーンヒットだった。
すかさず二塁への盗塁を決めると、泉由希菜(蒲田女子→レイア)の二塁ゴロで三塁へ進み中村茜(京都西山ソフト→太陽誘電ソフト→ドリームス→スマイリーズ)の当たりは一塁手のミットをかすめるような一打で右前へ抜けていった。それを見て、三塁走者の三浦が生還。結果的に、これが決勝点となった。
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二塁打を放った三原遥
反撃したい兵庫ディオーネは7回、先頭の2番三浦遥(埼玉栄→アストライヤ)が右越二塁打を放ち外野飛球などで三塁まで進んだが、最後は塩谷が踏ん張った。
力では、むしろ上ではないかと思われていた昨年の女王チーム兵庫ディオーネ。碇美穂子監督は次の試合を見据えて、エースの里綾美投手(神村学園→尚美学園大)を温存していたが、結局、この日は女子プロ野球最速投手の登板機会を逸してしまった。