どれだけ自分が恵まれた環境にいるか。それを意識しないことは時として強みになる。サッカー元アルゼンチン代表FWで2001年から2007年まで、リーガ・エスパニョーラのFCバルセロナでプレーしたハビエル・サビオラはそう語る。
「すごく若かったので自分のいる場所を本当に理解はしていなかったと思う。あれほどのビッグクラブにいたことや、受け取っていたお金について本当の意味で気がついてはいなかった。満員のカンプ・ノウでプレーすることも意識してはいなかった。そういったことを意識しないことはプラスにもなった」
母国アルゼンチンの名門リーベル・プレートに所属していたサビオラは2001年、FIFAワールドユース選手権での大活躍が認められ、バルセロナからのオファーを受ける。だがバルセロナでは、在籍中に監督がフランク・ライカールト氏に代わったことや、サミュエル・エトーの獲得により徐々に出場機会を失っていった。
バルセロナへの強い愛着を持ちながら、最終的には居場所のなさを感じチームを去ったサビオラ。古巣リーベル・プレートに復帰した現在、「受け取っていた金額や満員のスタジアムや、あれほど歴史あるクラブの一員だったことについてよく考えれば、チームを去ることはなかったかもしれない」とバルセロナ時代を振り返って笑った。
《岩藤健》
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