【GARMIN fenix 3J HR 海外インプレ中編】プロも使用する光学式心拍計、使い勝手もすばらしい | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【GARMIN fenix 3J HR 海外インプレ中編】プロも使用する光学式心拍計、使い勝手もすばらしい

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フランスアルプスには登山ルートが随所にある。ツール・ド・フランス取材でなければ行ってみたいところだ
  • フランスアルプスには登山ルートが随所にある。ツール・ド・フランス取材でなければ行ってみたいところだ
  • スイスアルプスで気圧変化をチェック。小さな集落には水飲み場があった。ミネラルウォーターが飲み放題だ
  • 目覚めてから朝の散策へ。就寝中も心拍数を計測してくれているんだね
  • スイスのベルンからフランス国境に向かった村へ。この地点の標高は767mだ
  • プロバンス地方ではぶどう畑の丘陵地を軽くトレールラン。心拍レベルは一番軽い領域で、つまりほとんど歩きだね
  • アクティビティ後にホテルのテラスでくつろぐ。身体がリカバリーするには6時間を要すると指示してくれている
  • 室内スイムモードを選択すると「プールサイズ」を25mや50mから選ぶことになる
  • 高度は気圧変化によって誤差が生じるので、食事をしている間に手動で修正をする
手首に装着するだけで心拍数が測れたり、走ったルートの詳細データを取得できるGPS機能があったり、活動量計としても使えるガーミン社のマルチスポーツトレーニング用GPSウォッチ「fenix 3J HR(フェニックス・スリージェイエイチアール)」。インプレ記事筆者のライフワークであるツール・ド・フランス取材に持ち込んで、その使い勝手をチェックした。

◆プロも手首計測の光学式心拍計を導入するチームが増加

さて、取材記者として心拍機能つきGPSウォッチの使い道に言及する前に、世界のトッププロが集結するツール・ド・フランスという大舞台ではどんな機材が愛用されているのかを見てみよう。これまで心拍計は胸にセンサーベルトを巻いて計測するタイプが主流だったが、今年になって手首計測の光学式心拍計を導入するチームが増えてきた。もちろん精度は胸のセンサーベルトタイプのほうがいいのだが、レース中の選手としては医学的なレベルを求めるわけでなく、その時点の運動の強さの目安として心拍数を把握すればいいと割り切っている。そんな使い方をしているのだと思う。

出場選手は片耳に無線機のイヤホンを着けているので、身体にこれ以上わずらわしいものを着けたくないと思うし、心拍数の上下動を確認する以外にも道路の危険な障害物やライバルチームのアタックを見ていなければならない。だから今後は手首計測の心拍計が主流になってくるのではと思うし、それらのモデルの精度も確実に向上していくはずだ。

日本選手も所属するイタリアのランプレ・メリダチームはガーミン社のGPS搭載サイクルコンピュータと光学式ハートレートモニターを全選手が愛用し、トレーニング時のみならず実際のレースで使用していた。選手が使っていたのはvivosmart HRというモデルだ。8月2日にはvivosmart J HR+という最新モデルが登場したが、7月開催のツール・ド・フランスの段階では先代モデルを使っていた。選手に聞けば、胸にベルト式のセンサーをつけることなく心拍数がチェックできるのが魅力で、それをハンドル前方につけたサイクルコンピュータにBluetoothで送信する。走行中は手首をねじってリストバンドの画面をチェックするのは至難の業だからだ。

◆GPSデータはかなり正確、今後のために保存も可

そんなトップ選手と比較するのもおこがましいレベルで、長期海外出張中に継続的な運動継続のモチベーションとして使う程度の筆者だが、vivoシリーズよりも心拍数とGPSデータの精度が高いfenixシリーズをフランスに持ち込んだ。GPSデータはかなり正確だ。世界中に配置されたGPS、GLONASSの測位対応で(みちびきは日本対応)、おそらくは内蔵の強力な衛星受信機によって安定した受信が可能なため、正確な測定ができるのだと推測する。

電子コンパスや気圧高度計も確かな精度がある。ツール・ド・フランスではアルプスの2000m級の峠を1日に何度も越えていく。記者が原稿執筆するサルドプレスはスキーリゾートなどに設置されることも多い。選手と同様にロードバイクに乗ったり、アルピニストのように高い山を歩いたりしているわけではないのだが、そんな特殊な取材環境下では気圧高度計で状況を把握することも時には必要だ。GPSを起動しながら撮影拠点まで歩けば、そのルートの高低差を記録し、空気が薄いために心拍数がいつもより上昇していることも一目瞭然となる。実はこれ、心理的にとても安心。30年近くもツール・ド・フランス取材をしている筆者は当然50代に足を突っ込んでいるので、若いころのように無理はできず、心拍数をチェックしながら峠道を移動するのに越したことはない。

GPSを起動して取得したデータはとても貴重なもので、今後のために保存する。スマホの「connect.garmin」アプリや、パソコンではガーミン社が提供するクラウドサイト「connect.garmin.com」で詳細をチェックできるので、次の取材に生かせると思うし、新たな仕組みを考案してビジネスチャンスにもなり得る。ここ2年ほどのツール・ド・フランスでは超小型カメラのGoProが公式技術協力社となって車載カメラの映像をレース直後に公開している。そんな迫力あふれる映像とGPSによるデータ取得を組み合わせれば、世界中どこにいてもツール・ド・フランスにバーチャル参戦できるようなゲームも可能になるのでは。もちろん光学式心拍計をリンクさせて世界中のサイクリストとバトルするなんてことも可能かなと思う。

◆日本仕様でもどこでも使える、筆者も大のお気に入りのfenix 3J HR

fenix 3J HRの「J」は日本仕様という意味だが、アプリやサイトは国際仕様なのでまったく問題なく、アルプス山中でトレールランしてもパリの街中を散歩しても誤差2~3mの範囲でルートを記録してくれた。もう、世界中どこに行ってもfenix 3J HRのスタートボタンを押しちゃったら悪いことはできませんね。

これまで幾多のガーミン製品を試してきたが、ガジェットとしての実力と外観の完成度から一番気に入っているこのfenix 3J HR。腕に着けてツール・ド・フランスを回れたことに感謝している。
《山口和幸@レスポンス》

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