それでも普段よりは明らかに他国の人間がこの国を訪れているのだろう、マラカナンスタジアムを歩いていた現地の学生は「毎日このあたりを歩いているが、こんなに世界各国の人を見かけたことはない」と驚いていた。
リオデジャネイロ五輪の中心地となる五輪公園では、世界各国の国旗を掲げた一団が行進を行っていた。
日本の国旗をもった女性に話しかけてみると、どうやら彼らはキリスト教信者で、「平和のために行進している」ということだった。こちらが日本人だとわかると、別の男性も「オハヨウゴザイマス」「アリガトウゴザイマス」などの簡単な単語を並べて挨拶してきた。ブラジルはカトリック大国で、キリスト教の文化が国の根底にある。
世界各国の人が集まるこのオリンピックは、平和についてアピールする絶好の機会になるのだろう。
#Rio2016 #Japan pic.twitter.com/xsnZcJiFuH
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年8月9日
政治や経済など、様々な要素が複雑に絡み合うオリンピック。負の面ばかりを見つめ、オリンピックの存在意義を批判する人もいる。確かに政治が絡み、商業化が進んだことによる弊害も存在するだろう。しかし、その中にもスポーツがもつ大きな力、純粋な感動、平和への意識を呼び起こす正の側面もあるはずだ。
#Rio2016 行進 pic.twitter.com/5mNrrtQnuk
— CYCLE-やわらかスポーツ (@cyclestyle_net) 2016年8月9日
加えて、もうひとつ例を紹介しよう。
「私たちがオリンピックを開催する理由はここにある」
そうツイートしたのは政治科学者のIan Bremmerさん。韓国のLee Eun-ju選手と北朝鮮のHong Un-jong選手が笑顔でセルフィーしている瞬間を取り上げている。本来いがみ合っているはずの両国に属する2人の選手が笑い合っている瞬間には、オリンピックのもつ意義が象徴されている。
Gymnasts from North & South Korea take a selfie together. This is why we do the Olympics. pic.twitter.com/Id44OuehN3
— ian bremmer (@ianbremmer) 2016年8月5日
「平和の祭典」オリンピックが、平和を呼びかける舞台として確かに機能しようとしている姿を、一枚のセルフィーや、この行進に垣間見ることが見ることができた。