ランニング用GPSウォッチのForeAthlete(フォアアスリート)シリーズからミッドシップモデルとして「ForeAthlete230J」が登場した。衛星測位はガーミン社のフラッグシップと同じGPS/GLONASS/みちびきの3測位システム対応とあるが、今回はGPSの精度を検証。
◆加賀温泉郷で、使ってみた
今回は北陸の加賀温泉郷で開催されたイベント取材のため、北陸新幹線を使った2泊3日の出張にForeAthlete230Jを持ち込んだ。充電には付属のチャージングクリップが必要だが、USBポートを通常のコンセントにつなぐアダプターがあれば、新幹線かがやきの普通車でも充電できる。この付属チャージングクリップは、iPhoneやAndroidのUSBケーブルのようにコンビニで売ってはいないので出張時には忘れずに携行しておきたい。
ただし結論から言ってしまうと2泊3日の出張時、インプレのたびに何度かGPSを起動させてデータ取得したが、充電量は半分しか減らなかった。連続稼働16時間というカタログ表記はあくまでも連続フル稼働したときの数値のようだ。
現地到着後に山中温泉という風情あふれる温泉郷へ。お風呂に入りに来たわけではないので、ForeAthlete230Jをさっそく起動。ランニング用GPSウォッチだが、あらかじめ設定されているアクティビティにはランとバイクがある。この日やろうとしたことは散策路をゆっくりと歩くことなので、ランを選択してスタートボタンを押す。トレールランやハイキング、トレッキングも項目としてはこのランを選択するのがいいと思う。
◆運動としてだけでなく、観光のいい思い出にも
山中温泉総湯を出発し、温泉街から鶴仙渓という渓谷をたどって、昼メロの舞台ともなった「こおろぎ橋」に到着したのでゴールのボタンを押す。たとえば休憩で立ち止まったときにゴールのボタンを押した場合は、次に表示される画面から「再開」を選択すればルート計測は継続される。今回はそこがゴールだったので「保存」を選択。こうして本体にさまざまな走行記録が管理されるのである。その場でも距離や所要時間などのデータがチェックできるが、スマホやパソコンの画面でしっかり見たほうがいいのでデータ転送。
スマホやパソコンにデータを送ることを「同期」というが、その方法はいくつかの段階を踏まないといけないので既報のコラム参照のこと。
【GARMIN ForeAthlete235J インプレ後編】健康的なライフスタイルを楽しむ人にうってつけのモデル
ということでその後は出張の目的であるイベント取材を済ませ、温泉地なので露天風呂でサッパリしたあとに部屋でくつろぎながらパソコンで本日の散策データをチェックしてみた。Google地図に歩いたルートがきれいに表示されている。ルートにカーソルを当てながらスライドさせると、ルート上のその位置での標高、ペース(時速)、ピッチ(1分間の歩数)の推移が如実に分かるという仕組み。Google地図は詳細まで拡大できるので実走ルートが確実に把握できる。これは練習記録としてのみならず観光のいい思い出になるのはいうまでもない。
◆安さの理由?それでも実用性十分な性能
さて、これまでマルチスポーツトレーニング用GPSウォッチのfenix(フェニックス)シリーズ、地図表示で登山にも使える「epixJ(エピックスジェイ)」などのハイレベルモデルを何度もインプレしてきたが、それと比べるとルート補足がわずかに曖昧なことに気づいた。鶴仙渓の川面を渡ったはずはないのにルートが対岸に移っている。おそらくこれは渓流の深いところでGPS電波をうまく受信できなかったのが原因かと推測。
衛星測位はGPS/GLONASS/みちびきの3測位システム対応なのでハイレベルモデルと同じだが、おそらくは受信アンテナの精度がハイレベルモデルほどではないために誤差が大きいのだと思った。ただしランやトレールランではまったく問題とならないレベルだ。ましてや今回は温泉街の散策である。
ランニング用のForeAthleteシリーズの中級グレードとして開発されたForeAthlete230J。それではランやトレールランにしか使えないのか?後編ではサイクリングに使ってみた。
《山口和幸@レスポンス》
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