東京マラソン2016、3時間台で走る男たちの共通点…気にしない、自問自答 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

東京マラソン2016、3時間台で走る男たちの共通点…気にしない、自問自答

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東京マラソン2016(2月28日)
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1位~7位までアフリカ勢が上位を占めた東京マラソン2016男子。日本勢は一般参加の高宮祐樹(ヤクルト)が2時間10分57秒で8位にくい込みながらも「低調な結果」などと評されているなか、3時間台で走った一般参加ランナーたちに走ることへの想いを聞いてみた。

前日の朝、大阪から家族と一緒に東京入りした40代の会社員男性。「10代のころハンドボール部に所属していて、それなりに持久力もあると思っていた。間違えた意識だけが残ったまま20年間務めているうちに腹も出て、駅の階段もおっくうになってきた」とジョギングを始めた10年前を振り返った。

「2006年に10kmを初めてトライして、ハーフ、フルマラソンとステップアップしてきた。42kmが走れるようになったのは、10km大会に出てから2~3年後。今は勤め先の昼休みに5km、出勤前の朝に10kmほど、交互に走る」

ランつながりの友人と参加したという30代の男性は、「26歳で最初の会社を辞めた時、何もすることがないし、仕事の話をする仲間も離れちゃって。その時に『走ってみようかな』という思いになって始めた」とランと出会うきっかけを教えてくれた。

「転職できて、また仕事が大変になってくると、『あっ、走ろう』って思ってくる。なんか不思議と『走らないと、また仕事辞めちゃうかも』と変な気持ちになって、毎日走るようになった。続けているうちに距離と時間を意識しだして、30歳のときに初めてフルマラソンに挑戦した。そこから全国のマラソン大会に参加している。今日一緒に来た友だちも、地方の大会で知り合った」

そういって同世代の女性と目を合わせた。42.195kmを3時間台で走る人たちに会ってみると、共通する言葉がいくつかあった。そのなかでも「あまり気にしていない」という言葉が印象的だった。

茨城の30代男性は、「10km、ハーフと走れるようになってから、距離と時間はあまり気にしないようになった。それよりも、42km3時間半のなかで、何が見えて体がどうなるのか、とかに関心がいく。体に聞いてみて、『あっ、まだいける』って思うと、ペースも少し上がって、ちょっとずつタイムが縮んでいく。でもそれはあくまで結果と思うだけ。3時間半の自問自答が楽しい」と話していた。

日本陸上競技連盟の酒井勝充氏が「もの足りない」とこぼした今回のレース。リオ五輪代表選考競技として見た今回の42.195kmは期待はずれだったかもしれないが、晴天のもと完走した一般参加ランナーたちの笑顔からは、どれも満足しているように見えた。
《大野雅人》

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