1998年に横浜ベイスターズを日本一に導いた元プロ野球選手の野村弘樹氏(PL学園→大洋→横浜)が、東京の国学院久我山高校で生徒たちとフェアプレーについて討論。「講義」では、生徒たちに「フェアプレイにはガマンも要る。ガマンすることで成長も感じる」と伝えた。
野村氏はPL学園の高校時代、大洋・横浜のプロ時代を振り返り、「自分たちにとってなにがフェアプレーか、逆になにがアンフェアかを考えてみて」と投げかけた。
「僕の場合、ピッチャーにとってフェアかアンフェアかで一番大きいのは、審判のストライクとボールの判定。自分がストライクと思っていても、ボールと言われる時もあれば、ストライクと言われることもある。野球というスポーツは、人間がやってること。間違えは誰にもある」
高校野球、プロ野球と第一線で活躍してきた左腕は、フェアとアンフェアがあるマウンドで、ひとつの気づきを得たという。
「ずっと野球やってて一番、感じさせられたのは"我慢"。それはフェアプレイも含めて。我慢することによって成長させてもらった。ピッチャーって孤独で、チームメートに打ってもらって、守ってもらわないと勝てない。投手は我慢し続けて投げなければならない」
「ガマンすることとともに、感謝の心も出てきた。PL学園の時もそう感じた。『勝った』じゃなくて、『勝たせてもらった』とか『優勝させてもらった』という表現にもなってきた」
38年ぶりのリーグ優勝に貢献した左腕。この講義に続く討論会へ向け、「今までのことでもいいし、これからのことでもいい。フェアプレーについて考えてみてほしい。30分しかないと思うからあかんねん、30分もあると思えばいいねん。あ、なんか、先生になった気分っていいね」と生徒に語りかけていた。
《大野雅人》
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