日本人の国民性がオリンピックに向いている理由…日本パラリンピック界のパイオニア 大日方邦子さんに聞く 2ページ目 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

日本人の国民性がオリンピックに向いている理由…日本パラリンピック界のパイオニア 大日方邦子さんに聞く

オピニオン ボイス
大日方邦子さん
  • 大日方邦子さん
  • バンクーバー・パラリンピックの大日方邦子さん(2010年3月14日)
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■誰もが主体的に「語れる」オリンピック・パラリンピックを

---:2020年はどのような大会にしていきたいですか?

大日方:2020年に向けて、私はみんなでオリンピック・パラリンピックを作り上げることが大事だと思っています。アスリートだけとか、関わっている人だけのものではない。「私たちが作りました」という大会になるといい。

ロンドン大会では、関わっているボランティアの方々は自分たちのことを「ゲームズメーカー」と呼んでいました。すごく素敵な言葉だと思います。会場の案内をするべく、矢印をもって立っているようなボランティアが、自分たちもが大会を作る一員であると認識している。すごく素敵な関わり方だと思います。

東京オリンピック・パラリンピックも、多くの人が主体的に「自分たちがこの大会を作ったんだ」と語れるような大会になったらいいな、と思っています。



---:ボランティアをはじめ、どういった大会への関わり方が存在するのでしょう?

大日方:大会運営に直接関わる組織委員会のボランティアもありますし、東京都も街や駅で観光客を案内するようなボランティアを募集するでしょう。

他にもオリンピック・パラリンピックのある種目のチケットは絶対買おう、といった意気込みでもいい。大会期間中はホテルなど足りなくなるので、一時的にシェアハウスのようなことをするのでもいいし、大会期間中は東京から離れていなくなる、里帰りをしてテレビで大会観戦を楽しむ、というのもひとつの貢献かもしれません。これだけの人が住んでいる都市ですから。

●編集後記

「セカンドキャリアという言葉がどうもしっくりこない」と話す大日方さん。「選手時代のキャリアの貯金をそのまま活かした」というよりも、自分なりの価値観、軸を持って生きてきた結果、自然と現在のキャリアにたどり着いたが故の言葉だろう。

「自分じゃなければできないこと」を探していく中で見つかった、自分の人生を構成するあくまでひとつの要素としての「スポーツ」であるから、現役時代から多角的に物事を捉えられてきたのではないだろうか。

裏を返せば、現役引退後も社会に出て活躍している選手は、現役時から競技だけに固執しない、幅広い視野、価値観を持って活動できているということなのかもしれない。
《大日方航》

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