侍ジャパンの小久保裕紀監督は、キャンプ初日から各球団の視察を開始した。2017年に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を控え、3月にはチャイニーズ・タイペイとの強化試合に臨む予定となっている。
小久保監督は、およそ1年後の第4回WBCに向けて、トップチームの招集方針を明らかにしている。招集期間はシーズン前の3月とシーズン後の2回のみであることを考慮し、「チームを大きく変えることはしない」と方針を示す。
昨年11月にプレミア12で招集したメンバーを「若い選手たちがあれだけの結束を見せてくれた」と、チームの骨格として考えているようだ。プレミア12では毎試合のように劇的な試合が続き、その中心には中田翔内野手(日本ハム)や筒香嘉智外野手(DeNA)ら若手の活躍があった。
■侍ジャパンのエースとなった大谷翔平
各球団の若手が躍動する中、最も活躍を印象づけたのは大谷翔平投手(日本ハム)だろう。
プレミア12の開幕戦となった韓国戦では、強力打線を相手に6回2安打10奪三振、無失点の快投。準決勝の韓国戦でも7回1安打11奪三振、無失点と圧巻のピッチングを見せた。160km超の直球と145km前後の高速フォークを中心とした組立てに、幾多の日本人投手が苦しめられてきた韓国打線が手も足も出なかった。
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大谷翔平
大谷の球を茫然と見送り、肩をすぼめてベンチに帰っていく打者の表情には悲壮感すら漂っていた。
「同じアジア人とは思えない」「2度もやられて本当にくやしい。これから対戦すると思うと頭が痛い」など、韓国の選手たちに鮮烈な印象を残したことは確かだった。第4回WBCでも間違いなく侍ジャパンのエースとして君臨するだろう。
日本人の誰もがそう思えるような衝撃的な印象を残した。小久保監督は投手陣の中心に大谷を描いているはずだ。
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