ロボット工学者の石黒浩教授「イノベーションは必ず成功するわけではない」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

ロボット工学者の石黒浩教授「イノベーションは必ず成功するわけではない」

バイエル ホールディングは、12 月9 日にイノベーション体感型イベント「バイエルイノベーション 寄付 BOX あなたの 100 円が末来の発明王を育てる」記者会見を東京タワー内にて開催した。

オピニオン ボイス
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バイエル ホールディングは、12 月9 日にイノベーション体感型イベント「バイエルイノベーション 寄付 BOX あなたの 100 円が末来の発明王を育てる」記者会見を東京タワー内にて開催した。

12月9日~13日の期間中に設置される「バイエルイノベーション寄付 BOX」の公開と、「ジェミノイド」や「マツコロイド」を製作したロボット工学者の大阪大学教授、石黒浩氏によるトークセッションが行われた。

広報担当は、「バイエルは科学でイノベーションを起こし、150年以上に渡って人々のよりよい暮らしに貢献してまいりました。今後もイノベーティブな取り組みを継続していくと同時に、イノベーションを支える仕組みや文化の重要性を伝える活動をしていきたいと考えています」と社の方針について説明。

その活動の一環として今回設置した「バイエル イノベーション寄付 BOX」は、全長 3.6m、高さ 2.1mにも及ぶ日本最大級の募金箱。コインを入れると動きだすカラクリ仕掛けになっており、イノベーションの歴史を学びながら、楽しくイノベーションに貢献することが可能だ。

イベントで集まった寄付金は、公益社団法人発明協会の「青少年創造性開発育成事業」に寄付され、未来のイノベーションを担う子どもたちの創造性、育成に役立てられるという。

2007年には「世界の生きている天才」ランキングで日本人最上位の26位に選出されている石黒氏。「ジェミノイド」や「マツコロイド」を製作したことでも著名だ。今回の会見では遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」を持参して、テレノイドを研究開発したきっかけや、人間とそれを支えるサイエンス、そしてイノベーションを推進していくことの重要性をテーマにトークを繰り広げた。

---:寄付BOX「あなたの100円が未来の発明王を育てる」を見てどう思いましたか?

石黒教授:ベルの発明は印象的ですね。電話機は、向こう側の存在を感じることのできる機械ですが、テレロイドは遠隔操作によって、人の存在を運ぶ、人の存在を延長することのできる、という点で共通点があるので、電話にも思い入れがあります。

子供にイノベーションの歴史を伝える、というのはいい試みだと思います。僕も子供の頃は偉人の話を読んでいました。難しいことに挑戦するには知っておきたい事柄だと思います。

---:ロボット社会とはどんな社会?

石黒:街中にロボットがいるような社会。人らしいロボットを私はつくっているが、人らしい方が人は関わりやすいんです。人と話すように脳はできているので。スマホやパソコンを使うのにはトレーニングが必要ですが、人と話すのにトレーニングは必要ない。アンドロイドの方が人間の気持ちを理解する時代が来るかもしれない。最近は演劇にもロボットが出演した。遠くから見たらどちらが人間かわからない。「演劇は人がやるものだ」という固定観念を打ち破れた点でよかったと思っている。


高島屋ではアンドロイドが服を売ったりしていますが、普通の販売員より服を売りますよ。男はやっぱり販売員には声をかけにくいんです。でも、アンドロイドには声をかけやすい。人が言うとお世辞だと思うのに、アンドロイドの褒め言葉は嘘ではないと感じてしまうんです。

遠隔操作でアンドロイドを動かしている本人も、モニターを見ながら声を出せば、まるで自分がそこにいるかのように感じられるはずです。

自分の代わりに僕のロボットを講演させました。ロボットは「手荷物」扱いなので、飛行機に乗るときセキュリティにひっかからないかドキドキしましたね。「人の頭だ!」とか言われたりしたらどうしようか、って。

お年寄りも喜びます。人と話すのが億劫になってしまったお年寄りの方、認知症になってしまった方もロボットとは話すようになるんですね。ナンバーワン福祉国家のデンマークで、遠隔操作ロボット「テレノイド」が高齢者サービスを行っています。人と話すのは緊張するという人も、ロボットとだと緊張しないんです。認知症の方もロボットとした約束は忘れず果たそうとする、などといった事例もあります。

---:開発にあたって苦労した点などは?

石黒:開発にあたっては僕の勘が当たって世間にもポジティブに受け入れられ、テレノイドでの実験データも一通り集まっているのですが、サービスとして発売する段階では色々苦労しています。柔らかいが、耐久性をもっている素材を探すのはなかなか難しく、テレノイドを量産することは難しいかもしれない。

---:イノベーション活動への寄付について。

石黒:イノベーションは必ず成功するわけではない。将来が必ず約束されているわけでもない。余裕が少しでもある人が、挑戦を支えてくれるシステムは大事。必需品ではない製品の開発などは多々あるかもしれないが、将来のイノベーションに投資していただくことは大事なこと。ついでに、私の研究にも投資していただければ…(笑)

日本では国のお金で研究費が賄われていることが多いが、欧米はパトロンが投資したりする文化もある。時として国の研究費だけでは足りないこともあるので、少しでも余裕がある人たちがイノベーションに寄付をしていただくことはとても大切なことだと思う。

---:今後の活動は?

石黒:ロボットの実用化を目指していく。ロボット社会の実現にはパーソナルなロボットの存在が欠かせない。対話型、遠隔操作で動かせるロボット。人にとって身近なロボットを研究、開発していきたい。コンピューターが世の中を変えたように、ロボットが普及し、誰でもソフトをダウンロードしてロボットを使える、「ロボット社会」の実現を目指しています。

****

誰もがロボットを身近に感じられる、ロボット社会。「人間らしい」ロボットが街中に広がれば広がるほど、逆説的に、「人間とはなにか」ということを人々が考えていくきっかけにもなっていくのかもしれない。
《大日方航》
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