その一方で、来年春のセンバツを目指す戦いとなる秋季大会は、各県大会などもほぼ日程を終了。セカンドステージとなる地区大会の組み合わせも徐々に決まってきている。こうなると、いよいよ具体的に甲子園を意識していく段階に入りつつあるという感じだ。
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茨城県では常総学院も秋季関東大会進出を果たした
最終目標として、7月を目指して試合をこなしながらチームを作り上げていく夏の選手権と違い、チームがスタートしてから日が浅いのが秋季大会の特徴だ。8月の練習試合などでどれだけ経験を積んできているのかにより、ある程度のチームの力量は見えてくるだろうが、それでも秋は未確定要素が多い。これは多くのキャリアのある監督も認めている。
この夏、悲願の甲子園初出場を果たし、この秋も千葉県大会でベスト4にまで進出した専大松戸。ベテランの持丸修一監督は、「前のチームが甲子園へ行けたというのは、今の子たちにとっても自信にはなっている。ただ、秋はまったく別のチームです。そういう意味では、準備は他のところよりは少なかったですが、そういう中でよく頑張った」と語る。
県大会準決勝でライバルともいえる木更津総合に0-1と最少スコアで敗退したが、ほとんどメンバーが入れ替わった中でのベスト4進出に、それなりの夏の成果を感じ取っていた。そして、「これから冬の強化への目標も見えてきました」と早くも来年を見据えていた。
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専大松戸・持丸修一監督
その専大松戸を下した木更津総合は、決勝でも千葉明徳を12-1と圧倒的スコアで下し、関東大会へ千葉県1位で進出することを決めた。好左腕投手を擁しており、関東大会でも注目を浴びそうだ。千葉明徳は、春季関東大会は一度経験はあるが、秋季関東大会は初の進出である。
ところで木更津総合は、昨年秋も千葉県大会を制し地元開催となった関東大会ではスーパーシードとなり、きっちりと好成績を残して今春のセンバツ出場を果たしている。今秋のエース早川隆久くんは今春の経験もあるのだが、ことに秋のチームは投手力が勝負となるケースが多い。
というのも、どうしても選手経験が浅いため、投手力に頼らざるを得なくなることが多い。逆にいえば、好投手がいれば打力はさほどないチームであっても、ある程度上位へ進出することができるということも言える。
また、基本的には週末の土日に試合が組まれることが多いという日程も、投手のいいチームには有利だ。連戦となる夏の場合であれば、どうしても投手が連戦になっていくと疲れも出てくる。暑さも体力を消耗させていく。これに対して、秋季大会はひとりの投手だけに頼り切っても、間隔が空くことが多いので何とかしのげることが多い。気候的にも夏に比べれば、体力の消耗も少ないはずである。
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木更津総合・早川くん
さらに、旧チームからの経験のある投手であれば、今の段階では投球術などの駆け引きでも、打者に対して優位な意識で向かっていくことができる。こうして見ていくと、「秋は投手力」と言い古されてはいるものの、毎年、改めて実感させられることである。
まして、左の好投手で大きな縦のカーブでも武器にしていれば、そうは打ち崩されない。そういうことも意識しながら、秋季大会を予想していくのも面白いだろう。各地区大会の優勝校が集結する、11月の明治神宮野球大会まで、まだまだ高校野球のシーズンは続く。高校野球ファンにとってはひとつが終わってまた次が始まっていく。
そして、夏に活躍した選手が残っているチームは、さらに注目度も高くなる。そんな選手の動向を追いかけるのもまた、楽しいだろう。