参加が決まったものの、ユカさんはロードバイクに乗ったことがありません。そこで東京の自転車専門店、なるしまフレンド神宮店で店長を務めている藤野智一さんにロードバイクの乗り方(第1回)、長距離を走るコツ(第2回)などを教えていただきました。自転車ロードレースでバルセロナ五輪代表にも選出された藤野さんの指導で、ユカさんもだいぶ走れるようになりました。

ユカさんと藤野さん
第1回目では基本的な乗り方を教わりました。
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第2回目は長距離の走り方、補給の仕方などを教わりました。
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そして第3回目は、藤野さんにヒルクライムの攻略法を伝授していただきます。ツール・ド・東北は太平洋沿いの道路がコースになりますが、海の側だから平坦路が続くと思っていたら大間違い。細かいアップダウンが続き、"激坂"と呼ばれる急な上り坂も登場、ちょっとしたヒルクライムは何度も行います。
大会のコースマップには、断面図がわかるコースプロフィールも掲載されていますが、まるでノコギリの歯のような断面図が描かれています。これを乗り越えなければユカさんの完走はありません!

ツール・ド・東北コースプロフィールの一部
■ヒルクライムはどう走ればいいの?
水越ユカさん(以下、ユカ):藤野さん、ヒルクライムのコツって何ですか?
藤野智一さん(以下、藤野):初めて走るコースでは上りの勾配、距離がわからない。最初にガーンと走って途中でバテちゃうとどうしようもない。だから、落ち着いたペースで上るといいですね。
ユカ:ギアの変速も必要ですよね?
藤野:コースの先に上りが見えたらあらかじめギアを軽くしておいて、上り始めて勾配がキツくなったら途中でまたギアを変えていきましょう。

ユカ:どんなペースで上ればいいですか?
藤野:上りの入り口ではペースが速いので、上り始めてペースが安定したらそれを維持するようにギアをチェンジする。また勾配がゆるくなったらギアを切り替えて、脚の回転数を一定に保つようにします。
ユカ:む、難しそうですね…。
軽すぎるとクルクル回るし、重すぎるとグイグイと踏むようになってしまう。自分にあった一定の回転数があるので、それを維持しながら上っていきます。坂の下から勢いよく上るのではなく、ジワジワ上っていく感じです。勾配にあわせてギアをしっかり変速しましょう。ギアを変速しても上りが苦しい時は、ダンシングも取り入れるといいでしょう。
ユカ:ダンシングって何ですか?
藤野:サドルからお尻をあげる立ち漕ぎですね。
ユカ:立ち漕ぎなら自転車通学だった高校生の時によくやっていました!

ユカさん、ダンシングにチャレンジ

藤野さんのお手本。速ッ!
坂を上ったら、次は下りもやってきます。上手な下り方も藤野さんに聞いちゃいましょう。
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