まずはプレミアリーグにおける得点力不足。チャンピオンズリーグ予選プレイオフでルーニーがハットトリックを決めてユナイテッドは4-0で勝利するものの、相手は格下のクラブ・ブルージュ。プレミアリーグでは得点力に不安を抱え続け、周辺ではストライカーの獲得が叫ばれています。
次にゴールキーパーを含めたディフェンス陣。開幕から3試合連続のクリーンシートとディフェンスは安定しているかに見えますが、そもそもの相手に決定機の少ない試合が続いていました。実際にカウンターから繰り返しディフェンスラインを脅かされたスワンズ戦では、2失点を喫してしまっています。

マンチェスター・ユナイテッド対スウォンジー・シティ
失点は2度ともユナイテッドの左サイドからでしたし、デイリー・メールやマンチェスター・イブニング・ニュースではクリス・スモーリングは失点シーンでよいプレイができなかったと指摘され、セルヒオ・ロメロの対応力には疑念を投げかけられています。
敗戦の翌日、夏の移籍市場が閉幕となりました。大型補強で移籍市場を賑わせたユナイテッドは、ハビエル・エルナンデス、アドナン・ヤヌザイ、ジョニー・エヴァンスなどの移籍を発表。一方でさらなるビッグネームの獲得には到りませんでした。
ただ、フォワードとしてASモナコ所属の19歳、アントニー・マルシャルを獲得。マルシャルは「ティエリ・アンリの再来」として期待され、モナコでも出場機会を増やして9ゴールを記録しています。

アントニー・マルシャル
さらに、レアル・マドリードとの移籍合意に到っていたはずのダビド・デ・ヘアですが書類送付の遅延によって移籍が実現しませんでした。ユナイテッドにとっては、自らの失策によって昨季まで何度もユナイテッドゴールを守ったゴールキーパーのチーム残留が決まったことになります。
マルシャルの加入がユナイテッドの得点力不足への光明となるのか、士気低下によってベンチからも外れていたデ・ヘアが残留を決めて正ゴールキーパーの座に戻るのかはまったく不透明です。

ダビド・デ・ヘア
ユナイテッドの課題克服には、そうした刺激が必要かもしれません。スワンズへの敗戦で露呈した課題は、夏移籍の結果、変わり得るのか。
タイトル奪還を目指しつつも、すでに1位マンチェスター・シティに対して勝ち点5の差を空けられたユナイテッドに、早くも転機の訪れが待たれています。