巨大な資金力を背景に、世界中から才能を買い集めるイングランド・プレミアリーグ。今夏の移籍市場でも存分にその経済力を発揮した。プレミアのクラブが投じた移籍金総額は、史上最高の8億7000万ポンド(約1600億円)。そのうち1000億円以上が国外のクラブに支払われた。
プレミアリーグの経済力を支えるのは、史上最高額を更新し続けるテレビの放映権料だ。クラブは最大で1シーズンに1億4600万ポンド(約268億円)を得る。
移籍市場終盤にもマンチェスター・シティはケビン・デ・ブルイネを獲得し、マンチェスター・ユナイテッドもアントニー・マルシャルをクラブに迎え入れた。
だがプレミアリーグの資金力が本当に恐ろしいのは、そうしたビッグクラブだけでなく、アストン・ヴィラのような中堅クラブでも他国リーグのタレントを買い集められることだ。
特に多くの才能をプレミアリーグに持っていかれた、ドイツ・ブンデスリーガでは警戒心を強めている。ドルトムントのハンス=ヨハヒム・ヴァツケCEOは、「移籍市場は8月1日に占めるべきだ」と主張した。
「8月30日や31日に、資金力のあるクラブが大金ですべてを引っかき回す。プレシーズン後に何人も顔ぶれが変わるなら、いったい何のためにやるんだ?」
《岩藤健》
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