最新の玩具3万5,000点あまりを展示した「東京おもちゃショー2015」が、6月18日~21日に東京ビッグサイトで開催された。中でも、注目を集めていたジャンルのひとつが、昔ながらの玩具を進化、あるいは現代風にアレンジさせたアナログ玩具だ。
◆アナログ本来の楽しさをさらに進化
2014年に大ヒットした女児向けのメイキングトイ「ファンルーム」や室内で砂遊びができる「キネティックサンド」のヒット、けん玉シリーズの再ブームなどの影響を受け、アナログ玩具の市場が活気づいている。
今年のおもちゃショーでは、趣向を凝らした女児向けのメイキングトイが各社から発売されたほか、砂遊びの玩具も複数のメーカーが参入していた。
また、毎年優れた玩具を表彰する「日本おもちゃ大賞」では、枯山水の風情を堪能できるパズル「枯山水ジグソーパズル」や、60年近く遊ばれ続けている野球ゲームの最新版「野球盤 3Dエース」といった昔から楽しまれている玩具が、大賞や優秀賞を受賞している。
ロボットや幼児向けタブレットが普及する一方で、アナログ玩具の良さが再認識されている印象を受けた2015年のおもちゃショーであった。
◆ウェアラブルトイが早くも流行の兆し
かたや、最新の機能やアイデアを活用したデジタルトイの分野では、子ども向けのスマートウォッチ「プレイウォッチ」や「Jewel Wacth」などの腕時計型端末が展示された。時計機能はもちろん、ミニゲームやプリクラ風画面がつくれるカメラ、センサーを使った万歩計といった機能をふんだんに盛り込んでおり、昨年までのキッズ向けスマホに代わる話題となった。
外出時に持っていきやすいウェアラブルトイは、画面タッチで簡単に操作ができ、子どものおもちゃとしても親和性が高い。さらに、スマートウォッチだけではなく、「Oculus Rift」のようなVR(バーチャル・リアリティー)を体験できるシステム「BotsNew(ボッツニュー)」といったアイデアトイも登場し、会場では大人気となっていた。
「社会で話題になっているものをいちはやく取り入れられるのも、玩具ならではの強み」(日本おもちゃ大賞審査委員長 北原照久氏談)ということで、今後もデジタル業界の流行が玩具に反映されていくことが予想される。
東京おもちゃショー2015、アナログ玩具の進化とウェアラブルトイ流行の兆し
《相川いずみ@リセマム》