6月19日に格闘技イベント「Bellator 138‐Unfinished Business」が行われ、メインイベントでキンボ・スライスがケン・シャムロックを1ラウンド2分22秒でKOした。
シャムロックはホイス・グレイシーらとともに、発足間もないころからUFCで活躍。総合格闘技の黎明期を牽引した伝説のファイターだ。日本でもPRIDEやパンクラスに参戦したが、現在は51歳で4年以上試合から遠ざかっていた。
久しぶりの試合で対戦したキンボは、喧嘩最強のファイターを名乗りYouTubeにストリートファイト動画を投稿。そこから話題になりUFC参戦も果たした異色の経歴を持つ。しかしプロのリングでは大きな成果を残すことができなかった。その後はボクシングに転向していたが、シャムロックと戦うため5年ぶりに総合へ戻って来た。
5年前の通りならキンボは寝技の技術に難がある。シャムロックは開始直後からグラウンド勝負を狙い、1度は立たれたものの片足タックルで2度目のテイクダウンを成功させた。すぐにバックへ回りチョークスリーパーを極める。
シャムロックのスリーパーはガッチリ入り、キンボの顔が苦悶に歪む。30秒以上絞められながらタップしなかったキンボ。絞め続けたシャムロックのほうが先に音を上げる。渾身のスリーパーを凌ぎきって立つと、疲労困憊のシャムロックにパンチを浴びせレフェリーが割って入った。
「敗れはしたものの、全盛期を知っているだけに、今もなおREALに自分と向き合い集中力を研ぎ澄ます努力をしている生活にプロを感じずにいられません」「UFCの2とか辺りでグレーシーとやってた選手じゃないの。現役復帰とか驚き」など、50歳を過ぎてリアルファイトに戻って来たシャムロックへ驚きの声が聞かれた。
一方で試合自体は「大味」「10年前でもスタミナ不足だったのに」と、過去の人同士の興行という厳しい声も並んだ。
《岩藤健》
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