高橋尚子、車いすに乗ったら歩行者にも抜かれた「Qちゃん大丈夫?」 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

高橋尚子、車いすに乗ったら歩行者にも抜かれた「Qちゃん大丈夫?」

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スポーツ・オブ・ハート2015記者会見
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スポーツ・オブ・ハートは6月17日、「スポーツ・オブ・ハート2015記者会見」を東京都内で行った。

10月17日~10月18日に開催される「スポーツ・オブ・ハート2015」。同イベントは、パラリンピアンの呼びかけにより2012年に第1回のイベントを開催。"すべての人たちが幸せに暮らせるニッポン"を目指すプロジェクトとして発足した。

記者会見に登壇したプロ車いすランナーでスポーツ・オブ・ハート理事長の廣道純さん、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんが記者からの質問に答えた。

---:今回の「スポーツ・オブ・ハート2015」についての意気込みは?

高橋尚子さん(以下敬称略):健常者の人に障害者スポーツを知ってもらうという点ももちろん大きいのですけれど、「障害をもっているけど、まだ障害者スポーツをしたことがない」人たちが、廣道さんのおかげで障害者スポーツの世界に入っていけるというのもあると思います。そういった人たちにもどんどん参加してほしいですね。

---:現役の頃にこういった取り組みをされたことはあった?

高橋:現役のときは自分のことだけ、目の前の練習だけに集中していたので、視野が広くありませんでした。廣道さんのように世界を広く見ている選手はすごいと思います。本当に現役時代は目の前のことでいっぱいいっぱいだったので…。

---:現役選手で、現役活動と同時にこういったイベントに取り組むのは大変では?

廣道純さん:競技に専念している選手がいる中で、どうなのかな…と思う部分もありますが、パラリンピアンの競技人生がもっとこういった活動のおかげで長くなれば、自分のチャンスも増えるという思いもあります。また、この世界を知って、本当に人生が変わりましたので、この世界に恩返ししたいという思いも同時にあります。

たとえアスリートにならずとも、この世界を知らずに障害をもって普段の生活を送っている人は、もったいないと思うんです。特にそういった人にも障害者スポーツの世界を体験してほしいと思うんですね。

---:実際にパラリンピックスポーツに触れてみて感じたことはあった?

高橋:車いすの女子の記録が1時間半とか出ているのを見ていると、「私は車いすに乗りさえすれば速くなるに違いない」という思い込みをしていたんです。でも、いざ乗ってみるとまったく進まなかったんです。歩いている人にも抜かされるくらいで。「Qちゃん大丈夫?」って言われたりしました(笑)。

でも、その経験から、パラリンピアンはバランス感覚を養うことが必要な上に、機械に合わせた身体作りをして、日々努力しているんだということに気づきました。
---:どうやったらもっと知名度が高まる?

高橋:障害者幅跳びの記録が顕著ですが、どんどんパラリンピアンとオリンピアンの記録の差がなくなってきています。100mを10秒代で走る選手がどんどん出てきたりすればもっとパラリンピアンの認知度が広まってくると感じていますし、夢物語ではないと思います。

障害者の存在が一般の人の生活にも素直に受け入られていくために、まずはスポーツの世界から広めていけたらいいと思っています。
《大日方航》

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