日本代表が2-0で勝利した3月27日のチュニジア戦。新しいメンバーが先発に名を連ねるなどコンビネーション不足は否めなかったものの、攻撃面で明らかな変化が見られた試合だった。
ザックジャパン時代には、本田圭佑(ACミラン)や香川真司(ドルトムント)ら、足元の巧みな選手を中心としてパスをつなぐ、いわゆる遅攻が特徴的だったが、チュニジア戦で見せた攻めはシンプルで実に直線的だった。練習量の少なさも影響したせいかボールを失うシーンもいくつかあったが、手数をかけずにゴールに向かってシンプルにつなげていく攻めは効率性を感じさせ、バヒド・ハリルホジッチ監督の狙いが早くも選手間に浸透していることを伺わせた。
しばらくは多くの選手にチャンスを与え、スターティングメンバーも流動的かと想定されるが、コンセプトを浸透させる作業は今後も徹底されそうだ。2014年ブラジルワールドカップで、優勝したドイツを追い込んだアルジェリアの効率的な攻め、組織された守備とその激しさなどは、ハリルホジッチ監督のコンセプトがいかにチームに浸透していたかを示している。
2018年ロシアワールドカップで勝てるチームへ。ハリルホジッチ監督の情熱と厳しさが、日本代表をどこまで引き上げてくれるか見ものだ。
《浜田哲男》
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