トラック世界選手権女子ポイントレースが、2月18日にフランスのサンカンタン・アンイブリーヌで開催。同レースで鹿屋体育大学の上野みなみ(大学院1年)は銀メダルを獲得した。
3月1日に地元鹿児島で開催されたサイクルフェスタin桜島のレース後、上野に今回の好成績と今後について話をうかがった。
---:銀メダルおめでとうございます。今回のポイントレースで、後続に1周差をつけるのは狙っていたのですか?
上野みなみ選手(以下、敬称略):"集団から逃げる"というのは、全員(の気持ち)が緩くなって、油断をしたときにできるもの。どこかで「いつかするぞ」と狙っていた。アタックして半周ついて、スプリント獲った時にそのままの勢いでラップできたからよかった。そのラップのおかげでこの銀メダルがあるから嬉しい。
---:序盤、10周目のアタックでドイツのステファニー・ポール選手(金メダル獲得)もついてきました。やはり強かったですか?
上野:強かった。自分との差が大きかった。レース直後、(ポールの子どもに)小さい娘さんがいるところを見てびっくりした。女性として競技を続けていくというか、子どもを持っても競技を続けていくのがすごいと感じた。国内でもそういう女子の自転車の選手はいないし、そういうスタイルがあれば女子の自転車競技の層を増やしていくことにも繋がると思う。
---:今回トラック世界選手権女子ポイントレースで好成績を挙げて、現実的に2016年リオデジャネイロ五輪も視野に入るのでは?
上野:世界選手権で好成績とはいっても、五輪に出れるかどうかは瀬戸際なところ。出るためにも、今からの直近のレースでの成績が重要になってくる。もし出たとしても、出るだけにはなりたくないし、出るからには結果を残したい。周りがやっぱり(2020年の)東京五輪までの先のことを期待しちゃうけど、選手は目の前のレースに一戦一戦取り組むだけと思っているので、先のことはなんともいえない。
---:今後の目標を教えてください。
上野:全日本でのポイントレースと3km個人追い抜きで優勝をしたい。結果よりも内容を重視して、他の選手に「私と勝負すると勝てないな」と思うくらい強さを印象づけるほどの内容で勝ちたい。
---:今日のレースはどうでしたか?
上野:世界選手権後、実家の青森に帰っていて、学校の鹿屋に帰って来たのはつい数日前。しかもロードの練習もままならないままだったので、なんとか走れた感じ。楽しんで走れた。
自転車を下りた彼女の表情は、あどけない女性であった。しかし「内容を重視で」と話す時、彼女は勝負師の真剣な表情になる。アスリートの眼差しを感じた。
《上水流晋》
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