韓国"ナッツ姫"に懲役1年の実刑、執行猶予なしの判決に「世論に配慮したのでは」の声 | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

韓国"ナッツ姫"に懲役1年の実刑、執行猶予なしの判決に「世論に配慮したのでは」の声

ライフ 社会
飛行機 イメージ
  • 飛行機 イメージ
"ナッツ姫"こと大韓航空前副社長のチョ・ヒョナ被告に、ソウル西部地裁は懲役1年の実刑判決を言い渡した。財閥一族の横暴で非常識な振る舞いと注目された事件、判決の決め手はどこにあったのだろうか。

事件は2014年12月5日、アメリカ合衆国のジョン・F・ケネディ国際空港から韓国の仁川国際空港へ向かう、大韓航空86便の中で起きた。同機のファーストクラスに乗っていたチョ被告が、客室添乗員がナッツを袋のまま差し出したのを見て、接客態度がなってないと激怒。

既に離陸に向け動き出していた飛行機を引き返させる騒動となった。

事件が明るみに出ると大韓航空へ多くの批判が集まり、同族経営を問題視する声が高まった。以前から韓国では富の大半を一部の財閥関係者が握り、庶民との格差が広まる一方だと不満が溜まっていた。今回の通称"ナッツ・リターン事件"は、そうした一般市民の不満の捌け口にもなり、メディアは連日のようにチョ被告への厳罰を求める声を紹介した。

また事件後に大韓航空が関係者の懐柔を行うなど、チョ被告のため会社ぐるみで事件の揉み消しに奔走したことまで明るみに出、韓国社会の歪みが一気に噴出した。

実刑判決だけは避けたいチョ被告は、最も罪の重い「航路変更罪」の有無を巡り、裁判で争ってきた。飛行機が動いてるとは知らなかった、航路とは離陸後を指すもので地上は含まれないといった主張を繰り返したが、今回の裁判では認められなかった。

日本でも大きく報道されたこの事件。実刑判決にネットでは「まぁ当然だろうな。 あの一族、何で争おうとしたんだろうか」「僅か一年で復帰出来ちゃうんだ」など妥当あるいは軽い量刑という意見、「世論に押されて裁判所も執行猶予つけられなかったのかな」「民衆の不満が高まってるからナッツ姫に厳罰課してガス抜きしようって司法のやる事じゃないんだけどねぇ…」「航路変更が罪に問われるとしたら、それが航空交通管制や乗客にとって重大な危険だからであって、離陸前でも航路変更というのは拡大解釈だと思うが」と、司法が世論に配慮した結果と見る声がある。

財閥が富を独占するのは許しがたいが、韓国経済は財閥なくして成り立たない。ジレンマを抱える社会で磔刑に処された感もあるチョ被告だが、収監となればしばらくナッツは食べられそうにない。
《岩藤健》

編集部おすすめの記事

page top