過去の対戦成績はナダルの17連勝中。ベルディハにとってナダルは"天敵"だったが、この日は立ち上がりからナダル対策が効果的に機能していた。
ワイドとセンターに200キロ超えのサーブを打ち分け、時おり160キロ台のスライスサーブを混ぜることで緩急つける。ボールの回転によって着地後のバウンドが大きく変わると話題になっていた今回のコート。地の利を活かしたのはベルディハだった。
外へ逃げていくスライスサーブでナダルをコートから追い出し、オープンコートになったところへ返球をフォアで叩く。
新コーチの下で取り組んできた戦術が、大舞台で今まで難攻不落だったナダルを攻め落とす。
ラリーを繋ぎリズム作りたいナダルに対し、速いテンポで攻撃を仕掛け、常に先手を取って攻め続けたベルディハ。会場の大声援がナダルに味方する中でも、最後まで冷静に同じテニスを続けられたベルディハの技術と精神力が、重い扉をこじ開けた。
「ベルディハのナダル対策が恐ろしいほどハマってた」「第3セットの攻防は非常に見応えあった」「トマーシュ今日のテニスは最高だった」「ナダルを応援してたが、こうなったらベルディハに優勝してもらいたい」「ベルディハは完全に自分の中の殻を破ったな」など、この勝利を高く評価するファンの声が多く寄せられている。
敗れたナダルは試合後、もし第3セットのタイブレークを制していたら、違う可能性はあったかと問われ「スポーツに"もし"はない。第3セットを落とし、第4セットはなかった」と答えた。
投稿 by ATP World Tour.