1月13日、元日本代表MF中田英寿氏と日研総業は、日本のモノづくりの魅力をワールドワイドに発信する新たなプロジェクトとして、「モノづくりニッポンe仕事×ReVALUE NIPPON」の第2弾を発表。東京藝術大学美術館で記者発表会が行われた。
「e仕事」とは、日研総業が運営する製造業専門の求人情報サイト。世界各国を旅する中で日本のモノづくりの魅力を再認識した中田氏と、モノづくりによる日本の若者の働き方を提案する日研総業が、2014年4月に「モノづくりニッポンe仕事×ReVALUE NIPPON」プロジェクトを立ち上げた。今回のプロジェクトはその第2弾。
今回は「ジャパンクオリティを継ぐ」をテーマとして、次世代に継いでいく一流の「塗師」を募集・育成。プログラムの監修には中田氏に加え、漆芸家で重要無形文化財(人間国宝)保持者の室瀬和美氏、また、製造業における塗装分野のスペシャリスト達とのコラボレーションで行われる。「e仕事」の求人サイトにて「次世代の塗師」を一般から募集。採用者は伝統工芸から日本の「塗り」の精神・知恵・技術の習得に励む。
さらに、採用者はミラノ万博の開催時期に中田氏とともにイタリアに渡り、現地で中田氏が日本文化を発信するイベントにも参加。帰国後も現代の製造業の現場でジャパンクオリティを次世代に継ぐ「塗師」となるべく、日研総業がサポートする。
発表会の檀上では、中田氏と室瀬氏のほか、製造業における「塗り」のスペシャリスト達が終始和やかに対談。「塗り」という共通のテーマのもと、それぞれのこだわりを語った。
中田氏は「日本のモノづくりは、日本人の美意識を持って育てていくものだと思う」「食べ物に目がいきがちだし、食べ物は発達していくけれども、食回り(食器)やそれを使う人達が発達していかないと遅れてしまう」と熱弁。
また、日研総業の清水氏も「日本の漆は自信を持てる。イタリアも技術にこだわりの深い国だが、日本の技術も負けていない」と、今年開催されるミラノ万博でのジャパンクオリティの発信に意欲を示した。
室瀬氏は「(採用者には)塗り師としての技術的な側面だけでなく、その歴史や仕事に対する考え方、培われてきた文化の重みを体験してもらいたい」と、「次世代の塗師」育成に対する熱意を語り、中田氏も人間国宝の言葉に改めて感銘を受けた様子だった。
引退後は世界90ヶ国150都市をも巡り、日本全国でモノづくりに触れ、日本文化の良さを世界に向けて発信することに意欲をみせる中田氏。現役時代同様、ワールドワイドな活躍はこれからも留まることはないだろう。
《浜田哲男》
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