スター軍団も内部はボロボロか。エースFWリオネル・メッシとルイス・エンリケ監督の確執が深刻化していると、ここ数日スペインメディアは書き立てている。
エンリケ監督は4日のレアル・ソシエダ戦でメッシをスタメンから外した。チームへの合流が遅れたメッシに対し「長旅の影響を考慮し」行った措置と説明しているが、これにメッシが不満を露わにし試合中から口論する場面があったというのだ。
チームは格下ソシエダに敗戦。同日は開幕から絶好調で首位に立つレアル・マドリードも敗れており、追撃の絶好機だったが結果的に差を縮めることはできなかった。自分が出ていれば、という思いはメッシにも当然あるだろう。
ソシエダ戦の翌日。予定されていた公開練習にメッシの姿はなかった。チームは「胃腸炎」と説明したが、エンリケ監督は仮病だと疑っているようだ。メッシに何らかの処分を下すよう検討したが、チームメイトが険悪な雰囲気が決定的なものになるから、やめるよう監督に自制を求めたという話もある。
チームは練習欠席に伴う騒動を否定しているが、メッシは先発を外された試合の翌日に練習を欠席した過去がある。そのときのことがエンリケ監督の頭にはあるだろう。当時バルセロナを率いていたジョゼップ・グアルディオラ 監督(現:バイエルン・ミュンヘン)は、それ以降メッシを不動のスタメンとして使い続けた。
昨年はメッシがインタビューで受け答えした内容から移籍の可能性が報じられるなど、下部組織出身でバルセロナ一筋にやって来たメッシと、クラブとの蜜月の時が終わりに近づいていると感じる人間は多い。
「チェルシーか、ちょっと見てみたいけど」とバルセロナ以外でプレーするメッシを純粋に見てみたいファンや、チームの顔になった選手の起用は難しいと感じる「偉大すぎる1人の天才のわがままをどこまで受け入れるのか...」「クラブより大きな存在になってしまうと扱いに困るのは確かだね」といった意見の他、「バルサのチーム状態がそれだけ良くないんだろうな。 エンリケはなにやってんだ」とビッグクラブを御しきれないエンリケ監督への不満を口にするファンもおり、様々な見方や意見がある。
かつてロマ―リオは監督との仲が険悪になった際「やつを取るか俺を取るかハッキリしてくれ」と所属クラブに迫ったことがある。自分の実力に絶対の自信を持っていたロマ―リオらしいエピソードだが、メッシも自分の流儀を貫き通すなら、遅かれ早かれ同じ境遇に立たされるだろう。
《岩藤健》
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