【山口和幸の茶輪記】澤穂希の同点ゴールはツール・ド・フランス期間中のホテルで見た | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

【山口和幸の茶輪記】澤穂希の同点ゴールはツール・ド・フランス期間中のホテルで見た

スポーツ まとめ
2011年のFIFA女子ワールドカップ(c)Getty Images
  • 2011年のFIFA女子ワールドカップ(c)Getty Images
  • 2011年のFIFA女子ワールドカップ決勝、米国を相手に同点ゴールを挙げた澤穂希(左から2人目)(c)Getty Images
  • 新城幸也の家にお世話になったのはいいんだけど、パソコンが壊れてしまい、レース会場に行くこともなく修復中
  • 2011ツール・ド・フランスは初日から優勝候補のアルベルト・コンタドールが遅れた
  • 【山口和幸の茶輪記】澤穂希の同点ゴールはツール・ド・フランス期間中のホテルで見た
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ツール・ド・フランスは4年に一度のオリンピック、同じく4年に一度のサッカー男子W杯(FIFAワールドカップ)と開催期間が重複するので、そんなときは話題性を高めるために海外で開幕することが多い。ボクも何度か紹介しているし、周知の自転車ファンも多いだろう。

それでは同様に4年に一度のサッカー女子W杯のときはどうかというと、残念ながらそこまで話題にならないのでどうでもいいようだ。かくして日本が初優勝した2011年の前回大会は16日間も日程が重複した。時差がないドイツ開催だったので、その夜はホテルの部屋にある小さなテレビに釘付けになってたよなあ、という記憶がある。


2011年のFIFA女子ワールドカップ決勝、米国を相手に同点ゴールを挙げた澤穂希(左から2人目)(c)Getty Images

2011ツール・ド・フランスの開幕地は、新城幸也が所属しているヨーロッパカーの本拠地、西フランスのバンデ県だった。3年連続の参戦が当然と思っていた新城は直前にメンバーから外された。本拠地だけにスポンサーの圧力でフランス選手を起用しなければならない事情があった。本拠地開催が裏目に出たのである。

本人の無念は想像するしかないが、それでも大会は開幕する。ボクたち日本人取材陣はモチベーションを立て直して現地入りした。

日本人不在にがっかりするなんて、かつては考えられなかった。しかし冷静になれば、198選手しか参加が許されない世界最大の自転車レースに日本選手が挑戦できるだけで快挙。日本勢がいつの日か勝利したりマイヨジョーヌを着用したりするための、上らなければならない階段だったのだ。

新城は直前の全日本選手権に参戦したので日本にいたが、落選の報にフランスに戻ることを拒否。カメラマンでもあるフィアンセは取材のために開幕地の自宅に戻ったので、開幕から3日間はあるじのいない新城家にごやっかいになる。


新城幸也の家にお世話になったのはいいんだけど、パソコンが壊れてしまい、レース会場に行くこともなく修復中

レースはその後、時計と反対回りにフランスを走る。ブルターニュ半島からピレネー山脈へ。そしてアルプスの直前に訪問した地中海沿いのモンペリエにゴールした日が、サッカー女子W杯の決勝だった。欧州選手権やチャンピオンズリーグのときはゴールを決めるとホテルがミシッと動くほど他の宿泊客のボルテージが高いが、女子W杯で澤穂希が同点ゴールを決めても、PK戦で熊谷紗希が優勝を決めるゴールを蹴り込んでも、ホテルの部屋で騒いでいるのはボクだけだった。


2011ツール・ド・フランスは初日から優勝候補のアルベルト・コンタドールが遅れた

2015年のサッカー女子W杯は3位決定戦と決勝がツール・ド・フランス開幕からの2日にかぶる。男女ともにサッカー強豪国のオランダに、そのときボクたちはいることになる。オランダ女子は初出場なので、優勝国としてちょっと上から目線で観戦したいな。2015年もホテルで一人興奮できるかな。
《山口和幸》

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