テニスのATPワールドツアー・ファイナルは、決勝でノバク・ジョコビッチと対戦する予定だったロジャー・フェデラーが腰の故障を理由に棄権し、ジョコビッチの大会3連覇が確定した。
思わぬ形での幕切れとなった。会場に現れたフェデラーはマイクを握り、自ら観客に事情を説明した。
一晩治療したが万全ではなく、痛み止めが手放せない状況に変わりなかった。フェデラーは「この舞台でジョコビッチと戦うレベルのプレーはできないし、自分の年齢を考えると危険な行為だ」と理解を求めた。
フェデラーが試合を棄権するのは、長いキャリアの中でもこれが3度目。いずれも腰の故障が原因だった。
準決勝では同じスイス出身のワウリンカと激闘を繰り広げたフェデラー。4度のマッチポイントを跳ね返し、タイブレークを制して勝ち上がった代償は大きかったようだ。
ジョコビッチも複雑な気分だと語った今回の優勝。ファンの反応は、
「ジョコとしてもやっぱり戦って優勝したかっただろうね」
「見たかったけど万全な状態じゃないから仕方ないな」
「出ないって言うの勇気いっただろうな~」
「絶好調な二人の勝負が見たかったがそれで選手生命に影響が出てもね」
「調子よかっただけに残念だな」
フェデラーも相手が違えば棄権はしなかっただろう。ジョコビッチとの試合には常に100%が求められる。勝つとなれば限界を超える必要がある。
そうしたプレーを見せられる状況でない、スイス代表としてデビスカップの試合も直後に控えているなど、様々な要因が絡んでの大会史上初となる結果が生まれた。
《岩藤健》
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