世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスが09年のスタート地点として選んだのは地中海に面するモナコ公国だ。皇居の倍の広さしかない小国だが、F1グランプリをはじめ、テニスのマスターズシリーズ、ヨット競技など国際的なスポーツイベントが数多く開催される。今回のツール・ド・フランス誘致も「モナコをスポーツのメッカにしたい」と意気込むモナコのアルベール2世公の意志によるものだ。女優グレース・ケリーを母に持つ同公は、ボブスレー選手として冬季五輪に5度の出場を果たし、現在はIOC委員を務める。
ツール・ド・フランスがモナコを訪れるのは、64年以来45年ぶり6回目となる。7月4日に行われる第1ステージは距離15kmの個人タイムトライアル。スキーのダウンヒル競技のように、出場選手が1人ひとりスタートしていき、ゴールまでの所要タイムを競う。いわば顔見世興行だ。スタート地点はモンテカルロのエルキュール港。途中に10％の激坂が待ち構えるハードコースで、F1レースのコースとして使われる市街地を駆けめぐり、再びエルキュール港にゴールする。
翌5日の第2ステージから、いよいよフランスを一周する旅が始まる。エルキュール港から全選手が一斉にスタート。およそ3,500km離れたパリ・シャンゼリゼに無事にゴールできることを祈るように、胸に十字を切ってスタートする選手の姿も見られるだろう。レースは地中海沿いに西に進み、フランスのブリニョールにゴールする。
モナコ政府観光会議局のミッシェル・ブキエ局長は、「伝統的なツール・ド・フランスをモナコが迎えることはとても光栄。日本のみなさんもぜひモナコに足を運んでほしい」とアピールした。（山口和幸）
《編集部》
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