2月1日にオランダのホーヘルハイデでシクロクロス世界選手権のエリート女子レースが開催され、オランダのマリアンヌ・フォスがハンカ・クプフェナーゲル(ドイツ)とキャサリン・コンプトン(アメリカ)とのゴール勝負を制して優勝した。オランダ在住の荻島美香(アライレーシング)も日本代表として参戦し、22位でゴール。以下は荻島のレポート。
女王の座をめぐって、凄まじい攻防が繰り広げられた。
ハンカの勝ちに対する念は、並ではなかった。公式トレーニングでの出来事だ。パートナーで元世界チャンピオンであるマイク・クルーゲとともに、勝負どころとなるコーナーを念入りに確かめているところが目撃されている。
さらには、選手の後方にハンカだけの代車とローラー台がすでに用意されていて、スタートコールのかかるたったの5分さえも無駄にできないとばかり、焦りとも思える雰囲気でローラー台の上で足を回していた。彼女の表情からは、余裕など全く感じられなかった。
スタートの信号が青に変わった。最初の数mは石畳の上りで、誰もが不安定だ。両隣の選手に肩がこすれ合う。
優勝候補の1人に挙げられていたアメリカのキャサリン・コンプトンが飛び出す。後方と最大で100mほどの差をつける。しかし、昨年の女王ハンカがそれを許さない。3周目でハンカをしっかりマークしていたマリアンヌ・フォスもハンカとともにキャサリンに追いつき、勝負はこの3人に絞られる。
ハンカはマリアンヌを振り払うために、何度も何度も仕掛ける。しかし、オリンピック・ポイントレースの金メダリストには通用しない。そして勝負はハンカが一番したくないスプリントに持ち込まれた。
ゴールへの直線、全くスピードのかかりの違うマリアンヌにハンカもキャサリンもわかっていても対応できない。両手を高々とあげ、信じられないといわんばかりの笑顔でゴールラインに飛び込んだ。自国オランダでマリアンヌ・フォスが花を飾った。
《編集部》
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