トレック、ニューマドンのパフォーマンスフィット | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

トレック、ニューマドンのパフォーマンスフィット

オピニオン インプレ
どんなライダーにも最適なライディングポジションを提供するマドンシリーズ
先代マドンと同様の攻撃的なジオメトリを持つ「プロフィット」に続き、
ヘッドチューブが延長され、自然なポジションが可能となるマドン5.2の「パフォーマンスフィット」をテストする
(text:安井行生 photo:我妻英次郎/安井行生)
前々回のマドン5.2プロフィットに続き、マドン5.2「パフォーマンスフィット」の試乗である。プロフィットのヘッドチューブを30mm延長させてスローピング度を高め、ハンドル位置が高いライダーでもヘッドスペーサーを入れる必要のないように用意されたものだ。
ヘッドスペーサーを入れれば入れるほどヘッドチューブ上端からステムクランプ部分までの距離は遠くなるので、荷重がかかったときのフォークコラムのしなりは大きくなり、ハンドル周りの剛性は低下し、限界域での挙動は不安定になり、ライディングフィールも低下する。最近になってハンドル位置は高いがヒルクライムやレースなどの高性能を求めるライダーが増えたという。事実、あのランス・アームストロングだってコラムスペーサーを30mmほども入れていたのだ。
しかし最初に告白すると、プロフィットでもスペーサーをほとんど入れる必要のなかった僕は、パフォーマンスフィットではハンドル位置が高すぎて適正ポジションが出なかった。よって数十kmしか走れていないし、400kmを乗った5.2Proでニューマドンミドルグレードの実力は十分に把握できたと思っている。なので、もう書くことがない。では、次回をお楽しみに。
…というわけにもいかないので、前回のニューマドンのインプレッションでは書ききれなかったことを含め、マドン5.2パフォーマンスフィットの印象をお伝えしようと思う。

パフォーマンスフィット、コンフォートバイクにあらず
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トレック・ジャパンからは 「パフォーマンスフィット=コンフォートバイク、ということではありませんよ」 と何度も念を押された。そう誤解しているユーザー、ショップ、あるいはメディアが多いのかもしれない。確かに、長いヘッドチューブ、湾曲したチューブなど見た目はどことなくコンフォートバイクチックだ。しかし中身はそうではない。加速性、高速巡航性、ヒルクライム性能、ダウンヒルでの絶対的な安定感、的確なロードインフォメーション、どれをとってもプロフィットと同じく高いレベルにあり(というか一緒だ)、乗り味はピュアレーシングバイクのそれなのだ。パフォーマンスフィットの目的である、高いハンドル位置でもしっかりとした剛性を得ることにおいては完全に達成されており、わざとハンドルに荷重をかけてもびくともしない。
新機構「シートマスト」の効果は絶大だ
そしてもう一つ、プロフィット・パフォーマンスフィットを問わず、ニューマドンシリーズで特筆すべきことはシートマスト構造が演出する自然なしなりである。
「従来の構造では非常に頑丈に作る必要があったシートポストを完全に排除し、クランプ機構を応力集中ゾーンからずらすことでシートチューブのたわみをより自然なものとし、乗り心地を向上させ、自然な路面状況の伝達を可能としている」
とはメーカーのコメントだが、確かにサドルに腰を下ろしてグッグッと過重をかけてみると、従来のロードバイクにはなかったしなやかなたわみを感じることができる。走行中に腰に伝わる振動もまろやかだが、決して不明瞭ではない。走行性能を犠牲にすることなく快適性を高め、同時により自然なロードインフォメーションを得ることができる。しかもインテグラルシートポストのように汎用性を犠牲にしているわけではない。ちなみにニューマドンの発表会で見たときは無駄にデカくて野暮ったく見えたシートマストクランプだが、小柄な僕でも走行中に腿の内側に当たるようなことはなかった。
ここでブレーキを右フロント・左リアにセッティングすることの多い日本のサイクリストに朗報だ。写真を見てもらえば分かると思うが、トップチューブに内蔵されるリアブレーキワイヤーの挿入口が右側に付いている。まさか日本市場を意識して?とも思ったが、カタログの写真を見ると右リア・左フロント仕様になっている。
トップチューブの中はオールアウターではなくトップチューブに装着されたアウター受けを介してワイヤーが張られる。湾曲したトップチューブの中で直線的にワイヤーを張るには、右側から入れて左側から出さないといけなかったのだろう。マニアックで細かい話だが、なかなか興味深い。
ルックスよし、整備性よし!
ちなみに後側のアウター受けはアーレンキーで外せるようになっており、メンテナンス性も考慮されている。ワイヤー交換の際にはアウター受けを外し、穴からワイヤーをピンセットなどでつまみ出せば簡単だ。カーボンでチューブ形状を自在に造形できるようになった昨今、ワイヤーをチューブに内蔵するフレームは多いが、メンテナンス性が考えられておらずワイヤー交換の度にイライラさせられることが少なくない。新しいマドンはワイヤー内蔵式フレームで見た目の美しさを獲得しながら、ユーザーフレンドリーでもあるのだ。
全てのパフォーマンスフィットモデルにはコンパクトクランクが…なぜ?
もうひとつ気になったポイントがある。このパフォーマンスフィットの完成車にはアルテグラSLのコンパクトクランクがセットされている。ニューマドンのスペックを見ると、プロフィットは全て53/39で、パフォーマンスフィットは50/34だ。
「コンフォートバイクではないのなら、パフォーマンスフィットにもノーマルのクランクを付けるべきではないか?」と思ったが、TREKは 『レース志向であってもハンドル位置の高いライダー ≒ ヒルクライムなどでコンパクトクランクが必要なライダー』 と捉えているのかもしれない。
確かにパフォーマンスフィットを選ぶライダーでコンパクトクランクの恩恵を受ける人は多いだろう。何も考えずに全ての車種にノーマルのクランクを入れることは簡単なわけで、これはユーザーのことを考えてパーツのアッセンブルをしてくれている証拠かもしれない。ただし 「オレはハンドル位置が高いけどコンパクトなんて必要ねぇぜ!なめんなよ!」 というライダーは交換する必要がある。
どんなライダーにもオススメできる完成度の高い一台
フレームの金型製作には巨額の費用がかかるにも関わらず、TREKのマドンシリーズは2cm刻みの各サイズに「プロフィット」と「パフォーマンスフィット」の2種類のジオメトリを用意し、さらに女性用ジオメトリ、「WSD」もラインナップしている。他メーカーのバイクには3種類のサイズしかラインナップしない車種もあるというのに。ここにもTREKのようなビッグブランドを選ぶ理由が出てくるのだ。
この革新的な構造を盛り込んだ高性能フルカーボンフレームにアルテグラ・SLをフルセット。パーツはボントレガーで統一。そして完成車価格は、ロードバイク関連の価格がどんどん高くなっている昨今ではフレームすら買えないバイクも多い数字に抑えてある。流麗なフレームラインとそれを上手く使った塗装パターンにアルテグラSLのアイスグレーがよく似合っており、ルックスも万人ウケする美しさを持つ。さらに、ロードバイクとして一番重要な動力性能と快適性も非常に高い。そして「操縦している」という感覚を消滅させてしまわんばかりの透明な踏み心地と素直な操作性。人間がダイレクトに操る乗り物として、非常によくまとまったバイクだというのが2台の新型マドンが僕に残した印象である。
《編集部》
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