北京五輪、和田見棄権のポイントレース現地レポート | CYCLE やわらかスポーツ情報サイト

北京五輪、和田見棄権のポイントレース現地レポート

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 北京オリンピックの大会11日目となる8月18。トラック競技も残すところあと2日となり、日本選手は前日行われた男女スプリントで渡邉一成(24=日本競輪選手会)と北津留翼(23=日本競輪選手会)、佃咲江(22=北海商科大)が勝ち上がり戦から姿を消したことで、この日行われた女子ポイントレース出場の和田見里美(21=中京大)が決勝種目では最後の日本人選手となった。以下は日本自転車競技連盟からの現地レポート。

 距離25km、一周250mのトラックを100周回する女子ポイントレース。スタートしてしばらくは単発的なアタックが繰り返され、緊迫した展開となったが、残り80周あたりで落ち着き、レースは小康状態となった。
 その矢先、残り77周の表示を見た後の第2コーナーで数人の選手が落車。その中に和田見の姿があった。和田見は自転車から投げ出された際にトラックに体を強打したようで、退避路に倒れたまま動かない。
 場内のモニターに落車時の模様が映し出される。不意のアタックを警戒してスピードを上げようとする集団。そのほぼ中央にいた和田見は自分もスピードを上げるか、それともいったん後方に下がるか迷っているように見える。そして次の瞬間、和田見の前輪が前の選手の後輪に払われ落車。これに後続の3人が巻き込まれ、合計4選手がトラックに体を投げ出された。このうち2人はすぐに立ち上がり再乗してレースに復帰したが、体を強打して動けない和田見と、同じく落車のダメージが大きいアメリカのハマーが規程周回内でレースに復帰できず棄権となった。
 和田見はしばらくして立ち上がったもののその姿は痛々しく、スタッフに両脇を支えられないと歩けないほどだった。和田見は体の痛みと、レースに戻れない悔しさに嗚咽を繰り返しながら、おぼつかない足どりでトラックを後にした。その後の診断によると和田見のケガは左鎖骨骨折だった。

 女子ポイントレースは終盤に入って数名の選手が僅差で並ぶ展開となった。しかし残り30周となるあたりで現世界チャンピオン、オランダのマリアンヌ・フォスが満を持したアタックを成功させ、集団を1周ラップ。ビッグポイントを獲得して優勝を決めた。

 また、この日行われたもう一つの決勝種目、団体追抜は、前日行われた1回戦で世界新記録を出して勝ち上がったイギリスが、1-2位決定戦でもその記録を更新する3分53秒314を叩き出してオリンピックチャンピオンの座に着いた。

 前日から行われている男女スプリントは、準々決勝となる1/4決勝が行われ、ベスト4が出そろった。19日に行われる1/2決勝は、女子が1組目イギリスのペンデルトン対オランダのカニス。2組目がオーストラリアのメアーズ対中国の郭爽。男子が1組目フランスのブルガン対イギリスのホイ、2組目がイギリスのケニー対ドイツのレビという組み合わせとなった。
《編集部》

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